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ストイックに、楽しみながら探求を続ける。

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ストイックに、楽しみながら探求を続ける。

東京藝術大学 器楽科 オーボエ専攻

野村 花ノムラ ハナ

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2022.03.04

小学生から社会人まで、多くの市民が吹奏楽に親しむまち、各務原市。各務原市出身で、現在、東京藝術大学でオーボエを専攻する野村花さんも、その一人だ。音楽の道を志したのは、初めて生で聴いたオーケストラがきっかけ。「音楽が細胞の中に入っていく感じがした」と、その時の衝撃を語る。

野村さんがオーボエと出会ったのは中学校の吹奏楽部。「とにかく演奏することが楽しくてしかたなかった」というオーボエの腕前は、県大会でも話題になるほどだった。そんな野村さんの実力は、恩師である顧問の先生にも見初められた。「先生は各務野吹奏楽アカデミー(市内の中学校の吹奏楽部がプロの指導を受けられる事業)に招かれるプロの奏者の方とも繋がりがあって、その紹介でレッスンを受けさせてもらうようになりました」。

もちろん、高校も音楽コースがある学校への進学を希望した。しかし、当時のオーボエの講師から「高校では視野を広げた方が良い」と助言を受け、県立岐阜高校の普通科へ進学することに。

普通科に進学したことで、ご両親は野村さんが音楽の道を諦めたと思ったそうだが、高校進学後も野村さんの音楽への思いは変わらなかった。「音楽で食べていけるのは、東京藝術大学でも1割程度だから覚悟がいるよ」「高校2年生の夏までに藝大に合格の見込みがなければ諦めたほうがよい」ー。講師からは厳しい現実を伝えられた。しかし、強い志と持ち前のストイックさで、レッスンと受験対策に没頭した。「学業は学校にいる間だけと決めて、遊びの誘いも断っていました。学校では少し変わった存在だったかもしれませんね」とあっけらかんと笑う。「周りに音大を受験する人もいなかったので、どこまでやれば良いのかもわからなくって」と語るが、それがかえって、自分が納得するまで努力を惜しまない姿勢に繋がった。

そんな努力の末、見事憧れの東京藝術大学に合格。日々、講義や実技レッスン、個人練習、コンサートやリサイタルの準備に明け暮れる。演奏する曲は、受験時よりも複雑で高度になった。それでも、野村さんは「毎日音楽に囲まれていることが、楽しくて、楽しくて!」と目を輝かせる。音楽について語り合い、切磋琢磨する仲間がいることも刺激になるという。

オーボエは、葦でできた非常に繊細なリード(吹き口)を用いるため、他の管楽器と比べても演奏が難しいと言われている。「リードは自作していますが、気候などによって毎日ベストのものが違います。オーボエの演奏も正解はなくて、どこまでもゴールはありません。でも、だからこそ、探求し続けることにやりがいを感じます」。

野村さんは、2022年4月9日に岐阜市文化センターで、同じ大学の後輩でピアノを専攻する須藤帆香さんと演奏会を開催する予定だ。須藤さんも各務原市出身。「各務原でのいい出会いがあったから、今、音楽で生きていく道を目指せています。地方でも夢へ続く道があることを、今度は私が伝えていければ」。聞けば、現在も岐阜県内の学校に招かれ指導に行くこともあるという。野村さんの思いはきっと、次の世代にも届くだろう。

この春には、東京藝術大学大学院に進学する。オーケストラの一員として演奏する機会も増えるそうだ。「夢はプロオーケストラに入団すること。狭き門ですが、楽団で自分の席を持って、そこからまた、勉強が始まると思っています」。目標に向かって強い意志で、ストイックに、でも楽しみながら努力をし続ける。野村さんの心にはいつも「音楽が好きだ」という純粋な思いが溢れている。

 

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2022.03.04

WRITER PROFILE

株式会社リトルクリエイティブセンター LITTLE CREATIVE CENTER Inc.

こんにちは!株式会社リトルクリエイティブセンターです。岐阜市にあるデザイン会社で、デザイン業務や編集・出版を中心に活動しています。また、東京・日比谷でアンテナショップ「岐阜トーキョー」を運営し、首都圏で岐阜を編集して情報発信しています。2020年春に各務原市と連携協定を締結。首都圏に向けてまちの魅力を一緒に発信していきます。

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