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音色でつなぐ。

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音色でつなぐ。

ヴァイオリニスト

平光 真彌ヒラミツ シンヤ

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2023.02.10

オーケストラのまとめ役であるコンサートマスターは、指揮者とともに大きな拍手を受ける花形。ステージ上に姿をみせた瞬間から注目を集める存在のひとりだ。コンサートホールの水を打ったような静寂の中、胸に届く音楽。ひときわ際立つのが、コンサートマスターの音色である。

平光真彌さんは、ウィーン岐阜管弦楽団のコンサートマスターを長年務め、中部圏を中心とした様々なオーケストラで活躍するヴァイオリン奏者である。さらに大学の非常勤講師として教鞭をとるなど、活動は多岐に渡る。

お会いした第一印象は、柔らかい人。そしてすぐに、情熱的な人だとわかる。
撮影にあたり、彼が地元各務原の思い出の場所として選んだのは、母校である小学校の校庭遊具・ひばり山。初めましてから10分もしないうちに一緒にその頂に上った。休み時間にひばり山で遊び、チャイムを合図に教室に向かって全力で駆け出す少年の姿を思い浮かべる。なんだか以前からの友人と過ごしているような感覚になった。

「クラシック音楽の演奏者は、シャーマンみたいな感じです。」何世紀も前を生きた作曲家が曲に込めた意図を探る。置かれた境遇や心情をおもんばかり、自分の中に取り込んで感情移入していく。楽譜に記された情熱を観客たちに届ける。その姿は、通訳者のようであり、料理人のようでもある。その作曲家が稀有なまでの天才だったとしても、たったひとりの人間の、しかも遠い昔に起きたことに寄り添うだなんて、気の遠くなる話である。そうやって、「ベートーヴェンを見ているつもりで、自分を見ている」。楽曲ひとつとっても、作曲家、演奏者、そして観客が、言葉では語りつくせないそれぞれの物語を心に描く。そう聞くと、クラシック音楽から感じる計り知れない壮大さに納得がいく。
演奏中は、指揮者の指先、表情、ともすると雰囲気までも察知し、オーケストラのメンバーたちに伝達する。持って生まれた才能か、努力の賜物なのか。彼の冷静さと細やかさは、コンサートマスターという「仕事」で発揮される。

時代は利便性を極め、その場に足を運ばなくても、いま行われている地球の裏側の演奏まで聴くことが出来る。とはいえ、「鼓膜に受け止める波動は、その場にいなければ伝わらない。(メディアを通じて)感動を得られる人というのは、それ以前に実際の生演奏を体感している人」。間近で鑑賞する機会を作るためにも「アウトリーチが大事」だと、オーケストラのみならず、気の合う仲間で小学校やサロンでの室内楽演奏を行なっている。

意志を貫く、本気の人が好きだという平光さん。ならば、彼の奏でる音を聞いてみたい。肝の据わった本気ほど、楽しいことは世の中に存在しないのだから。

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2023.02.10

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