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持って生まれた感覚と、磨かれた感性。

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持って生まれた感覚と、磨かれた感性。

蔵元林本店 五代目当主

林 里榮子ハヤシ リエコ

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2021.11.21

【センス】感覚、気持ち、感じ、意識、勘、判断能力、観念。
彼女を表現しようとして真っ先に頭に浮かんだのは、この【センス】という言葉だった。

林里榮子さんは、蔵元林本店の五代目当主である。物心ついたころから、家業を継ぐということに疑いを持たなかったというが、実際には傍から見るよりも多くの苦悩があったはずである。それを「体内に流れる血がそうさせた」と言ってのけるあたりが、人並みではない。

彼女の印象は、素直で感情豊かな女性。良い意味で人間臭い。仲間と笑って過ごすことに幸せを感じている。その姿を囲むように従業員がいる。蔵人がいる。関係性が職場にあらわれる。仕事柄、いろんな職場に足を踏み入れるが、ここは家族の匂いがした。

行きつけの美味しいお店のこと、地域の仲間たちとのことや、家族のこと。話題が変わるたびに、くるくると表情が変化する。笑顔がとても可愛らしくチャーミングである。私が日本酒に疎いことを伝えると、文字通り目の色が変わった。茶色の瞳が光を帯びて、鋭く輝いている。その姿は、打って変わって格好がいい。凛として美しい。

蔵の中を案内されて、彼女のセンスは、生まれ持った血と、環境からきていると気づかされる。何代も受け継がれる伝統に、新たな挑戦を繰り出していく。漆黒の絵具があって、白を垂らし、そこから幾多もの濃淡のグレーを生み出しているような。伝統に敬意を払いながらも固執はしない。SNSを利用したり、海外のニーズに応えつつも、酒造りの合理化を目指してはいない。蔵人たちが肌感覚を大事にしながら作業する姿を見て思わず、体調や気分が酒造りに作用するのではないかと聞いてみた。作業する手を止めた蔵人からは、いたずらっぽい笑顔が返ってきた。この日仕込んだお酒を飲んでみたいと思った。きっと楽しい宴になるだろう。

日本酒は元来、コミュニケーションツールだと、彼女が教えてくれた。彼女のバランス感覚や周りとの絶妙な距離感は、日本酒から学んだものではないだろうか。

なんだか久しぶりに友人たちに会いたくなった。飲酒について賛否の問われるご時世ではあるが、秋の夜空を見上げながら、気心の知れた仲間と酒器を傾けたい。

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2021.11.21

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