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川漁師・平工顕太郎の店。

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川漁師・平工顕太郎の店。

ゆいのふね

YUINOFUNE

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2018.03.29

長良川を表現したと言う「清流抹茶プリン」。蓋をあけると、ゼリーの粒と金粉が光を浴びてきらきらと反射する。ゼリーは長良川の伏流水を利用してつくられており、光に煌めく川面がイメージされている。スプーンで掘り進むと下層から現れるのは抹茶プリン。抹茶の渋みが効いたプリンは、まったりとして濃厚だ。川底ならぬ瓶底に敷かれたチョコレートを少し混ぜてみるのもいいだろう。チョコレートには別添のカカオニブ(カカオを細かく砕いたもの)をふりかけて食べるのがお薦めだそう。チョコレートの甘さとカカオニブのポリポリとした食感が口にうれしい。普段、僕はスイーツの類は好んで食べないのだけれど、プリンやチョコレートの甘さの中に抹茶の渋み、カカオニブのほろ苦さが散りばめられた、この少し大人向けのプリンはまた食べてみたいと思った。
「清流抹茶プリン」是非ご賞味あれ!

・・・いきなりプリンの紹介から入ってしまったが、ここ「ゆいのふね」は洋菓子店ではないし、カフェでもない。いや、カフェではある。カフェ、新鮮な魚料理が味わえる食事処、川文化について学ぶ生涯学習スペースなど色んな要素が混在したお店。あえてカテゴライズするなら、ここは川漁師・平工顕太郎の店だ。

店主・平工顕太郎さんは、以前のOFK記事にもある通り長良川を主な漁場とする川漁師。また、漁師としての仕事の傍ら漁船に乗って長良川を下る『漁舟ツアー』の企画・運営、天然鮎の通信販売や講演活動も行っており、多面的に「川」「鮎」「漁」の魅力を発信している。

今回、平工さんが実店舗となる「ゆいのふね」のオープンに踏み切ったのは、各務原市が展開する「DIY型空き家リノベーション事業」の説明会に参加したことがきっかけだった。それまで川での活動が中心であったが、いつからか活動のベースとなる場所の必要性を感じていたと言う。また、そう言った場所を設けるのであれば自身のルーツとなる2つの河川、木曽川と長良川に挟まれたここ各務原市で、という想いもあったそうだ。空き家リノベーションの候補物件を見て回るツアーに参加して 、かつて1階が美容院と寿司屋、2階は住居として使用されていたこの物件に出会い、一気にイメージが具体化した。調理スペースもあるし、駅も近い。何よりここは平工さんの出身校である桜丘中学校の校区内だ。

リノベーションにより生まれ変わった「ゆいのふね」は2017年10月1日にオープン。美容院であった部分がカフェスペースとして、寿司屋と住居であった部分が食事処として再生されている。

内装を木目調で統一されたカフェスペースは、道路沿いに大きく設けられた窓から差し込む光で明るく照らされ、ゆったりとした時間が流れる。コーヒーは自分でドリップするスタイル。挽きたての香りを楽しみながら店の前を時折通り過ぎる赤電車を眺めるのもいいだろう。前段で紹介した「清流抹茶プリン」もここで味わえる。

食事処では、鮮魚ランチが人気だ。平工さんは漁師としての目を活かして新鮮かつ品質の良い食材のみを買い付けており、素材にあった方法で調理してくれる。やや傾斜がきつく懐かしい感じのする階段を上った2階が飲食スペースとなっているが、もともと住居として使用されていた場所だけに親戚の家に遊びに来た様な不思議な感覚を覚えた。1日1組限定であるが、夜営業も行っているので(要予約)、気の置けない仲間との集まりに利用してみてはいかがだろうか?どこか懐かしい空間の中で、きっといつも以上に友人との距離を近く感じられるだろう。

取材でお会いした平工さんは物静かで人懐っこい笑顔が印象的な方であった。コーヒーを楽しみながら、店先に立つ平工さんから川文化を学ぶのもいいだろう。川漁師・平工顕太郎がたくさん詰まった「ゆいのふね」、皆さんも一度訪れてみてはいかがだろうか。

ゆいのふね

DATA

ゆいのふね YUINOFUNE

岐阜県各務原市那加桜町2-297
営業時間:10:00~15:00(ランチ11:30~13:30)、夜は予約のみ対応※1日1組限定
定休日:日曜日~火曜日
TEL:080-8256-4295

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2018.03.29

WRITER PROFILE

南村 高志MINAMIMURA TAKASHI

1979年生まれ。会社員、2児の父です。音楽好きで週末の夜は柳ケ瀬界隈のライブハウスに出没します。市民ライターへの応募はOFTにタダで入れるのでは?との不純な動機からでしたが、まじめに各務原市のヒト・モノ・コトを発信していきます。

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