市民公園から徒歩5分程にある「創作料理すくな」。ランチは「さしみ定食」や「日替わり定食」、夜は天ぷらや総菜などが気軽に楽しめるお店だ。カウンターには5席、4人掛けのテーブルが1つ、4人掛の掘りごたつが3つ。小さな店内には、いつも常連さんたちの笑顔がある。

旬の食材と丁寧な職人技は、味はもちろん目でも美味しい。この日いただいた「日替わり定食」は、金目鯛の煮つけ。サラダやおひたし、出汁の香りがたつ味噌汁付き。丸ごと1匹なんて、お昼からなんとも贅沢な気持ちで舌鼓を打つ。箸が進むのは言うまでもない。お腹も心も大満足だ。
店主おすすめの「鶏の酒盗バター焼き」は、季節により野菜を変え、鶏も秋は牡蠣へと変更する。旬の味わいが楽しめる一品だ。

お米や野菜は店主自ら育て、魚は市内の目利きの鮮魚店・楽笑で仕入れる。昆布と鰹節から取る出汁はゆっくり時間をかけ旨味を抽出、様々な料理に使用する。整頓された調理場から店主のこだわりと丁寧な手仕事が感じられる。

「ヒトとヒトの出会い場を作りたかった」
そう話すのは、店主の丹羽祐太さん。この想いは、高校生の頃から変わらないという。
場を作るなら、美味しいごはんが食べられると良い。美味しいごはんは、ヒトを笑顔にするから。イライラしていても食べると笑顔になる。彼の目指すお店作りはこんな想いからできている。

店名の由来は両面宿儺。丹羽さんの地元にある日龍峯寺を開創したと伝わる伝説の豪傑。龍を退治し地域住民を守った飛騨国の英雄として県内では知られている。人を守る地元の神仏、そして、お客様が笑顔になってもらえるようにと、両面ともに笑顔の宿儺が暖簾に描かれている。
数々の店で修業し、料理の腕を磨いてきた彼には3人の師匠がいるという。料理だけではなく、経営のノウハウや人との出会い、そして、人とのコミュニケーションや身だしなみの師匠だ。「人に恵まれている」と今までに出会った人たちに感謝を忘れず日々精進する丹羽さん。そんな彼に温かく寄り添い支える人たちがいる。細かな気配りと前向きな姿勢でヒトとヒトが出合いつながる場所がここにある。

また行きたくなる、ちょっと寄ってみたくなる。そんなお店が笑顔で待っている。