「板前割烹くに井」は、京都の料亭で修業を積んだ國井真澄さんが作る繊細な割烹料理が楽しめるお店だ。カウンターには6席、掘りごたつの4人掛けテーブルが2つ。小さな店内は、いつも常連さんで賑わっている。
國井さんは、毎朝魚市場に通い魚を仕入れるという。この日は「サメの心臓刺し」という希少な刺身がいただけた。「食材を学ぶために、魚市場で働いた経験が活かされています。」と語る。自身の目で見極めた、その日、その季節の新鮮な魚が楽しめるのも「くに井」の魅力だ。
もちろん、「くに井」の魅力は魚の新鮮さだけではない。職人の技により、素材のおいしさを引き出された数々の一品は、ランチでは「日替わり点心コース」で、夜は「本日のおばんざい」として、気軽に楽しめる。初めて夜に訪れる場合は、「本日のおばんざい」を数品頼み、自分のお気に入りを見つけるのもよい楽しみ方だ。
國井さんは「常に真面目」と口にする。仕入れから調理まで、自分の道を貫き通す職人の心構えに「なるほど」と頷いてしまったことは言うまでもない。そんな料理を構えず、気軽に楽しめるのが、「くに井」の懐の深いところ。「本物の和食を多く人に喜んでもらいたい」。そんな國井さんの想いを是非、味わってほしい。