市役所の南側の路地を入ったところにある「VALISE BAGEL」(ヴァリーズベーグル)。ベーグル専門店として2010年7月にオープンして以来、各務原だけでなく県外からも多くの人が訪れるほか、通信販売で全国からも注文が入る。
店長・志津馬このみさんは岐阜県可児市出身。生まれた土地に近いことと、各務原という街の活気に魅力を感じ、この場所に店舗を構えることを決めた。「VALISE BAGEL」という店名の由来は、多くのベーグル好きな人たちが旅先でVALISE(旅行鞄)いっぱいにベーグルを買いこんでくることにちなんでいる。ベーグルを個包装している袋を留めるシールにも、ベーグルが飛び出すほどに詰め込まれた旅行鞄を引いて颯爽と歩く可愛らしい犬のイラストが描かれている。
VALISE BAGELでは生地の仕込みから焼きあがりまでに4日程かける。オープン以来、時間が経っても柔らかな食感や、美味しさが保たれるベーグルを目指して少しずつ作り方を変えてきた。この熟成された生地を使って朝は6時半頃から作り始め、午前11時に開店。それからも次々に色々な種類のベーグルが焼き上がっていき、お昼前後に一番多くのベーグルが並ぶ。平日は30種類ほど、土曜日や祝日の前日などは40種類以上焼く。これらは通信販売や予約の注文状況に応じて焼かれるため、プレーンベーグルなど定番商品以外は日替わりで違うものが出る。一人でこれだけの種類を焼くのは大変そうに思えるが「たくさんの種類を作るのが好きなんです」「ベーグルはパンと違って焼く前に生地を茹でるのですが、その時にぷくーっと膨らむのが可愛いんですよ」と志津馬さんは笑顔で話してくれた。
ベーグルを作る上でのこだわりは、食べても安心な食材を使うこと。岐阜県産小麦を使い、できるだけ岐阜や愛知など地元に近い産地のものを選ぶこと。定期的に新作を出すことにも努力している。
餡子や餅の入った和菓子のようなもの、おにぎりのような感覚で食べられる醤油や海苔などを使ったもの、フルーツがぎっしりと入ったものなど「こんなに種類があるの?」「こんな食材との組み合わせがあるんだ!」と驚くほど様々な種類のベーグルについて、志津馬さんは「白ご飯のように組み合わせで何にでもなると考えています」と言う。サンドやフレンチトーストにするなどアレンジでさらに美味しさの幅を広げることもできる。新製品や本日店頭に並ぶ商品についてのお知らせは主にTwitterでされている。新しい美味しさに出会うための旅に出るようなワクワクした気持ちでお店を訪れてみてほしい。