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生活への気づきが生まれる、薬の今と昔。

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生活への気づきが生まれる、薬の今と昔。

内藤記念くすり博物館

ナイトウキネンクスリハクブツカン

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2021.04.09

各務原大橋を南に抜け西へ進んでいくと、大きな赤い屋根の建物が目を引く。敷地に足を踏み入れると、緑豊かで穏やかな空気が流れる。「木曽川の清流に囲まれた小高い中州で、常緑の樹木の多く繁れる所」と、館長である森田宏さんの綴る言葉に深く共感できる。

ここ、川島竹早町に、薬の博物館があることをご存じだろうか。日本初の薬の博物館が開設されたのは1971年のこと。それが「内藤記念くすり博物館」なのである。製薬会社の工場内に開設されたこの博物館は、ひとくちに「くすり博物館」といってもその内容は実に多様で面白い。薬の歴史や文化にまつわる展示はもちろん、製薬に使われる道具や薬屋の店先の再現、美しいガラスの薬瓶などの海外コレクションなど初めて見る驚きと、どこか懐かしさも味わうことができる。

そんな薬の原点となるのが、薬草である。「薬草園無しに薬は語れない」と博物館の設立者が、薬草を展示する場として、博物館と共に薬用植物園を併設した。広い敷地内では、四季折々の薬草を見ることができ、その数は年間約700種類にもなるという。医薬品や漢方薬・民間薬などに加え、染料や繊維といった私たちの生活に身近なものまで、直接目で見ながら、香りを感じながら知ることができる。園内の薬草にはそれぞれ看板が設置され、成分や効能などの情報が書かれている。「情報を見るだけでなく、日常生活に利用してもらいたい。」と森田さんは話す。より身近に感じてもらえるよう、今後は薬草を成分別に分類したコーナーを設け、料理に使うスパイスの企画展示なども行っていくとのことだ。

薬草園には「薬草友の会」という、(博物館主催の薬草栽培教室を修了した人が)栽培や管理を中心に、薬草をより深く楽しめる活動に参加することができるコミュニティがある。メンバーは現在130~140人。参加者は市内外問わず様々で、遠くは大阪から参加するというから驚きだ。なぜわざわざ遠方から来るのかと疑問に思う。しかしそれは「博物館と植物園が一体となり、ここまで大きな規模で、かつ薬にまつわる原物の資料が保管されている博物館は全国でも稀である」という、ここにしかない魅力があるからだとすぐに納得した。

「医学・薬学の歴史を知ることで多くの気づきが得られる。常に新しい情報を発信し、多くの人に役立てられれば。」と話す森田さん。岐阜や愛知など近隣の大学で医学・薬学を学ぶ学生たちもここをよく訪れ、学びを深めるのだという。

ここ一年で私たちは「ウイルス」という言葉に敏感になった。くすり博物館では、日本で猛威を振るったウイルスや菌にまつわる情報とその治療薬の紹介など、私たちの疑問に答える企画展を開催する予定だそう。

人々が培ってきた製薬の力と植物のもつ自然の力を、様々な体験と気づきから正しく、楽しく学ぶことのできる博物館と植物園。一度足を運べば、その魅力にすぐ気がつくだろう。

内藤記念くすり博物館

DATA

内藤記念くすり博物館 ナイトウキネンクスリハクブツカン

各務原市川島竹早町1
開館時間:9:30~16:00 ※博物館・薬草園ともに最終入場時間は15:30
休館日:日曜日・月曜日、年末年始
※開館時間・休館日は変更となることがあります。詳しくは下記WEBサイトをご確認ください
入館料:無料
TEL:0586-89-2101
Web:http://www.eisai.co.jp/museum

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2021.04.09

WRITER PROFILE

村瀬 恵里佳MURASE ERIKA

食べることが大好きで、市内外の美味しいもの巡りをしています。 ライターを通してたくさんの繋がりができ、各務原での活動がより一層楽しくなりました!美味しい情報随時募集中。

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