「バズる」といった現象を耳にしたことはあるだろうか。SNSで情報が一気に拡散し、リツイートなどが普段の何倍にも膨れ上がることをいう。そんな経験をした作家が各務原市にいる。ぬいぐるみ工房nuwasuの曽我阿紀さんだ。
ぬいぐるみ作りを始めたきっかけは、2012年に結婚を機に各務原市に移住し、自宅で完結できるものづくりを始めたいと考えたからだという。もともとは美濃焼のデザイナーとして、ものづくりには触れていた。ぬいぐるみ制作への転身は苦ではなかったが、縫製は全くの素人。技術を身に付けるのが大変だったとのこと。サメへの愛が強く、「生き物は忠実に再現する」というこだわりを持っている曽我さんの作品は、海洋生物が多く、色やエラの本数など、その生き物の特徴を、自身の知識や図鑑の読み取り、有識者への聞き取りをすることで、細部まで表現している。今にも動き出しそうな躍動感の中に、ぬいぐるみの愛らしさも感じられる作品ばかりだ。
あるとき、大型量販店で取り扱うサメのぬいぐるみの投稿に対して、自身も同じようにサメのぬいぐるみを作っているとTwitterに投稿。するとすごい勢いで5万件を超える「いいね」を獲得。投稿の閲覧者は100万人を超えていたという。当時は曽我さんも何が起きているのかわからないくらいの反響があり困惑していたとのこと。しかし、その投稿へのコメント1つ1つ丁寧に返信しているところにも自身の活動への熱意が感じられる。
「大人が持っていても恥ずかしくないぬいぐるみ」というコンセプトにもこだわりがあり、性別国籍問わず注文がある。こだわり続けて制作してきた作品が、多くの人の目に留まり、現在は注文を受けてから完成までに数ヶ月待ちの方も出てきているとのこと。注文者の中には、生き物の瞬間の構図を捉えたぬいぐるみを作ってほしいとのこだわりに、「どうやってぬいぐるみを自立させればいいのか。と頭を悩ませている」と笑いながら話してくれた。
現在は、模様のある布を使用したぬいぐるみ制作にも挑戦するなど、新たな取り組みにも力を入れている。将来的には、既製品はスタッフに任せ、自身は新作に集中できるような体制を整え、「仕事」として成り立たせたいとのこと。活動を通じて繋がったご縁で、市内外の展示会などの回数も増えている。
浜松での展示会の開催も決定しており、曽我さんの活躍は多くの方から注目を集めている。こだわりが紡ぐもの。それは活動や、作品が届いた人や場所から、SNSのように更なる拡がりを見せてくれるだろう。
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