
フォーシーズンズホテル丸の内 東京 MOTIF RESTAURANT & BAR ヘッドシェフ
浅野 裕之ASANO HIROYUKI
東京駅周辺を一望できる「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」7階にあるフレンチレストラン「MOTIF RESTAURANT & BAR」。目の前に広がるダイナミックな東京のパノラマビューとともに、旬の厳選素材の旨みを最大限に引き出した味わい深いフレンチが堪能できるレストランだ。気鋭の香港人建築家・アンドレ・フー氏が手がけたエレガントな空間、ミシュラン三つ星フレンチ「モリエール」のオーナーシェフ・中道博氏の監修など、話題に事欠かないレストランのヘッドシェフを務めるのが、各務原市出身の浅野裕之氏である。
浅野シェフは、大学卒業後、地元信用金庫から飲食業界に転じ、シェフの道を目指すという異色の経歴を持つ。しかし、この道に入ったきっかけは「バーテンの募集」だったそう。「バーテン」をするつもりで飛び込んだ愛知県一宮市のビストロで、思いがけず「料理人」への道を歩みだすことになる。そのビストロは、アラカルト主体で様々な料理を提供するお店。「ここで料理の基礎を教わりましたね」と浅野シェフ。
上京するきっかけとなったのは、お店の夏休みを利用し、料理の勉強のため、東京のお店を巡っていたときのこと。「これから開業するお店で、スタッフとして働いてもらえないか」と声をかけられ、単身上京することを決意。26歳のときだった。そして、東京・青山のフランス料理レストランに12年在籍し、総料理長として7店舗を統括するまでに至る。「人生はきっかけの連続」と語る浅野シェフ。また、新たなきっかけとして、「フォーシーズンズホテル丸の内 東京」のレストラン「MOTIF RESTAURANT & BAR」のヘッドシェフとして、その手腕を振るうことになった。
「MOTIF RESTAURANT & BAR」では、2ヶ月に1回メニューを刷新しているという。全体を統括するヘッドシェフとして、「ベーシックなフランス料理をベースにホテルっぽくない料理」を目指し、チームで最高のサービスができるよう取り組んできた。季節の素材を全面に押し出したその料理は、ベーシックな部分は崩さず、独創的で繊細な味わいを提供する。「自分の料理は瞬間芸なんです」。最もおいしい瞬間をお客様の口へ届けるため、絶妙なタイミングでサーブする。これも同じ目的を共有したチームだから成しえることができるのだろう。
最後に浅野シェフはこう語ってくれた。「料理人は自分のふるさとの素材を使いたくなるものなんだよ」。この冬から「各務原にんじん」を使った料理も考案したいという。「にんじんというと子どもが苦手な野菜だから、その風味を殺して料理することが多いかもしれないけど、自分はにんじんっていう独特の風味がしっかりつまった素材を使いたい」と素材を大切したいシェフの想いが垣間見えた。
ふるさとを離れても、その場所で培われたアイデンティティは変わらずその人の胸の中にある。「まち」と「ひと」をつなぐ関わりというのは、そのような見えない縁でつながれているのかもしれない。
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