各務原東部の鵜沼地区は、保水性・透水性・通気性などが優れる黒ぼく土壌が広がっており、色鮮やかなにんじんを育てるのに適している。そのため、全国的にも珍しく二期作でにんじん栽培が行なわれ、毎年春と秋には、広大な畑一面が、元気に育った「各務原にんじん」の葉でふわふわの緑の絨毯のようになる。
鵜沼地区のにんじん農家・三輪雄三さん。関市出身で、かつてはホテリエや造園施行者として働いていたが、結婚を機に奥さんの実家がある各務原へ移住。そこで奥さんの実家のにんじん農家を手伝い始めたことが、農業に従事するきっかけとなった。
「小松菜もほうれん草も、全部野菜と一括りにしていた自分が、まさか農家になるとは」と三輪さんは笑う。初めて畑に立った時の戸惑いは今も鮮明に覚えているという。点在する畑を管理するにあたってイメージがわかず、立ち尽くすこともあった。しかし、義父に付いて一緒に作業する中で、自分なりに試行錯誤し、自分にあったやり方を模索することは楽しくもあったと三輪さんは語る。
2007年頃には、義父から農家を代替わりし、自分が主軸となり時間の使い方も見直した。また、各務原にんじんの農家で構成される市園芸振興会にんじん部会への参加や、先輩農家との交流によって、農家同士の横のつながりができた。栽培のノウハウを学んだり、一緒に先進地の視察に行ったりした。
「発芽すると、ほっとします。収穫まで無事育てあげられたときに、農家のやりがいを感じます」と、三輪さんは穏やかな笑顔で話す。その反面、農業は自然との闘いであり、時に厳しさも伴う。近年の急激な温度変化や集中豪雨などは、その年の収穫に大きな影響を及ぼす。そこには自然と向き合う日々の覚悟が感じられる。
以前は多品種栽培も行っていたが、現在は、にんじんとその他数種類の野菜を、パートの方も雇いながら、奥さんと二人三脚で育てる三輪さん。また元気な芽が顔を出す瞬間を待ち望み、今日も畑に立つ。
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