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自由な書。自由な表現。

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自由な書。自由な表現。

書家・芸術家

遠藤 泉女エンドウ センニョ

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2023.06.23

各務原市在住の書家・芸術家 遠藤泉女さん。今回は、各務原市外、揖斐郡大野町にあるアトリエへお邪魔した。

広い場所を求めて、近年移設したこのアトリエには、大小さまざまな作品が並び、さまざまな道具類が置かれ、これがアーティストのアトリエかと圧倒される。しかし、雑然とした感じはなく、整然と整理され、集中して制作に取り組めそうな環境だ。馬の尻尾のような長い筆もある。聞くと、やはり馬の尻尾だそうだ。短い箒のような刷毛もあり、面白い。ぶら下がっている大きな筆は、持ってみるとかなり重く、この筆を持って制作するのは、まさにスポーツのような感覚かもしれないと感じた。

さて、作品を見てみよう。力強くも優しい作品から発せられるエネルギーのすごさに圧倒される。遠藤さんは紙に筆で書くだけでなく、セメントにローラーで文字を書くなど、私の書に対する想像の域をはるかに超えていた。書というと墨のイメージだが、遠藤さんはアクリル絵の具や岩絵の具なども使用する。30年ほど前に各務原市と福井県敦賀市との交流書展で前衛書家の千葉半崖(はんがい)さん(故人)との出会いによって作風が変わり、今も他の芸術家から刺激をもらうこともあるという。その柔軟な姿勢こそが新たな作品を生むのだと感じた。
平面の作品もあれば、立体の作品もある。表装も自身で行う。襖紙を屏風状に仕立てたもの、美濃和紙に柿渋を塗ったものに「いろはにほへと・・・」の甲骨文字が並ぶ。古代からの文字の成り立ちを甲骨文字から感じられるのもなかなか面白い。穴の開いた和紙の作品もあり、「穴を開けると風通しがいいでしょ」と笑う。そのユーモアさも作品に影響しているのかもしれない。

これまでの作品集も見せていただいた。例えば、各務原市内の鵜沼宿脇本陣で行われた「遠藤泉女展~蛍の頃 水をおもう~」では、脇本陣の和風の佇まいに、様々な前衛的な作品が並ぶ。そのさまは面白い。他に、日本各地や世界での展覧会の様子など、活躍の幅の広さを感じる。

遠藤さんは、市の美術展の審査員やワークショップなど、このまちとのかかわりは深い。また、市内にある中部学院大学では市民向けの講座を行ったり、書道教室のメンバーで構成された「玄心会」の展覧会を毎年開催するなどの活動もしている。「各務原市はこのような活動をバックアップし、展示をする場所も紹介してくれるなど、文化を支え、伸ばそうとする基盤がある」と遠藤さんは言う。

「まちの風景や風土が作品に影響する」と遠藤さんは語る。
ここ各務原が、さまざまな人、多様な表現、たくさんのものが交差するさらに文化の高いまちになることを願ってやまない。

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2023.06.23

WRITER PROFILE

篠田 雄一朗SHINODA YUICHIRO

岐阜市生まれ、東京育ち。親の介護のため帰郷。2019年3月に岐阜市ではなく、あえてあまり知らない各務原市にJターン。各務原の良さを知り、発信していけたらと思います。

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