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(株)山田縫製工場 代表取締役

山田 雅樹ヤマダ マサキ

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2022.12.19

現状を諦めてしまっていることって少なくない。って言うかほとんどじゃないか。現状を打破するために思考を止めない、行動し続けることの大切さを教わった気がする。そんな取材だった。

今回お話を伺ったのは山田雅樹さん。1955年に祖父が創業した縫製業を20代半ばで承継。主に婦人服の縫製を手掛ける山田縫製工場の代表として忙しい毎日を送っている。
山田さんは三人兄弟の末っ子。もともとは自分が家業を継ぐなんて思っていなかったそう。父親からの世代交代が必要となった際、定職についておらず、高校卒業後に数年手伝いをしたことがあるからと、ひょんなことから三代目のポストが回ってきたんだとか。
図らずも取り組むこととなった会社運営は決して順風満帆に進まず、思う様にならない現実に悪戦苦闘する毎日。海外生産が主流となって久しい中、国内アパレル産業は構造的な不況に陥っており、大量生産、薄利多売、少しでも早く・安くが求められ製造現場は疲弊していく。現状を打開したいともがき続けた10年間。おしゃれするのは豊かなことなのに服を作る現場の人々がなんで豊かじゃないんだ、そんな問題意識が芽生え始めたのもこの頃だ。

国内の縫製工場を取り巻く環境は過酷だ。低賃金、高齢化、だから若い人も集まってこない。漂う閉塞感。そんな自社を取り巻く現状を少しずつでも変えていきたい、と言う山田さん。一気に変えることはできなくても自分たちの周りの小さなコミュニティから少しずつ。それがちょっとずつでも外部に波及していき、実際に服を手に取ってくれるお客様にも自分たちの思いや姿勢が届いたのなら最高だ。
山田縫製工場オリジナルのシャツをリリースしたのはそのための一歩。技術の粋を集めた滑らかな縫製。綿100%にこだわり、生地だけでなく縫い糸、タグ、ボタンまでが全て綿で構成されていると言うから驚きだ。色も潔いほどの白一択。決して安くない価格設定だが、手間ヒマがかかったものはそれなりの値段がして当然と言う山田さんの主張を具現化したような製品だ。その品質、根底に流れるストーリーに共感し愛用してくれる著名人も多いんだそう。モノの面白さはそれを媒介として多方面に影響が波及していくこと。実際、このシャツが話題になったことで山田縫製工場に興味をもった若者が近々入社予定なんだそう。始めは小さなアクションかもしれないが、そのアクションに各々が共振することで世界は少しずつ形を変えていく。

音楽、映画など芸術作品から多くの気づきを得てきたと山田さん。特に岡本太郎の「太陽の塔」には大きく心を揺り動かされた。自身が多大な影響を受けてきたからこそ、人の心を動かす作品の力を信じているのだろう。生み出す作品・製品によって人の心を動かすことができればいつか縫製業界も変化していくかもしれない。何しろ行動しなければ何も変わらない。山田さんの乾坤一擲(けんこんいってき)のチャレンジ、その先行きに注目していきたい。

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2022.12.19

WRITER PROFILE

南村 高志MINAMIMURA TAKASHI

1979年生まれ。会社員、2児の父です。音楽好きで週末の夜は柳ケ瀬界隈のライブハウスに出没します。市民ライターへの応募はOFTにタダで入れるのでは?との不純な動機からでしたが、まじめに各務原市のヒト・モノ・コトを発信していきます。

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