各務原市民公園の南にあるベーカリー「isu」。広々としたイートインスペースとガラス張りのパン工房が印象的な店である。高い天井が開放感を生み、カフェのようにゆったりと過ごせる空間が広がっている。
店名の「isu」は、「椅子のように人がゆっくりと居付ける場所をつくりたい」という思いから名付けられた。オーナーの宮崎翔伍さんは、「地域の人が集まるようなパン屋になってほしい」と語る。
開業は、2024年11月。1周年を迎えたばかりの若い店だ。宮崎さんは、開業と同時に各務原に移住。幼少期からお菓子作りが好きで、専門学校を卒業後、パン店とケーキ店で8年の修行を積み、念願の自身の店を構えた。
isuのパンは、低温で長時間発酵させるのが特徴。この製法により、小麦本来の風味を引き出すことができるとともに、仕込み作業を一人でも行うことができ、効率化にもつながっているという。そして、最新の急速冷凍機を導入し、焼き上げ後の水分損失を防ぐことで、特に食パンのしっとり感と風味の持続を実現した。この設備により、翌日以降も食感や風味を失わず、温めなおすことで焼きたてに近い味が再現できる。パン職人としての技術と、経営者としてのオペレーション整備を両立している点が印象的だ。
開業当初は、「自分が美味しいと思うパン」と「お客様に喜ばれるパン」とのバランスに悩んだという宮崎さん。試行錯誤の末、現在のラインナップが生まれた。その数は30種類近い。人気商品はデニッシュ系で、特にクロワッサンが評判。オーナーのおすすめは「明太フランス」。私も実際にハード系のパンを味わったが、その香ばしさと食感は格別だった。ワンプレートメニューもボリュームがあり、自家焙煎のドリップコーヒーとの相性も抜群だ。
今後は「地域に愛されるパン屋」を目指し、地元客との交流やイートインの拡充に力を入れていくという。ガラス越しにパンが焼き上がる様子を眺めながら食事を楽しめるのもisuならではの魅力。「将来的には、各務原産の食材を使ったパンづくりにも挑戦したい」と語ってくれた。
焼きたての香りと温かい空気に包まれたisu。店内でゆったりと過ごすもよし、公園のベンチで頬張るもよし。地域の憩いの場として、今後ますます注目を集めそうだ。







