岐阜各務原ICすぐ側の大型商業施設の北に、カフェとドライフラワーがメインのお店ホドナラフがある。アプローチから伝わるアンティーク調の雰囲気に、自家製の食材を使用した可愛らしいマフィンやピクルスが並ぶ店内。見渡すと、ドライフラワーや雑貨に包まれた空間が広がる。どれ一つとってもホドナラフのこだわりが詰まったお洒落な世界観だ。
「自分のやりたいことを形にしているだけ。」そう語るのはオーナーの小林久美子さん。
2012年、前渡でホドナラフをオープン。3年後には移転を決めて一時閉店し、その間はイベント出店などをしながら、生花店で働いていた。ある日、生花店の閉鎖が決まり、オーナーから「ここでやってみないか」と声を掛けられた。「こんな大きな所でお店を開くことが怖かった。不安は大きかったが、やれるだけやってみよう。」そんな思いでこの地でお店を開くことを決意し、2019年に移転オープンした。
「ホドナラフ」は、ここで過ごす時間を楽しんでもらいたいとの想いで、時を表す「程」、親しむを表す「ならふ」という古語を組み合わせて名付けられた。移転前はカフェがメイン。少し雑貨も扱っていたが、移転後はさらにドライフラワーや服、外構…。雰囲気もレトロなものからお洒落でシックなものへ。オールマイティなカフェへと展開した。
また、ホドナラフで外せないのがライブだ。2020年は新型コロナウイルスの影響で開催が中止。2021年9月、万全な感染対策のもとでの念願の開催となった。この日のアーティストは田中啓史さん。透き通った声が響き渡った途端、思わず感嘆の声が漏れ、久々のライブを噛みしめるように、みんながこの空間に酔いしれていた。終演後に話してみると、村国座でライブをやったことがあるという。後に確認したところ、2010年のOUR FAVORITE THINGSに出演していた。この場所が縁を繋ぎ、集う場所になっていた。
いずれはお店を始めたい人に間貸しをするなどのスタートアップ支援をやってみたいという小林さん。彼女がきっかけでまた何か新たなものが生まれるのではないか。これからも時を親しむ空間が創り出され、広がっていくことを願っている。