いちょう通りを歩いていると、美味しそうなラーメンの香りがあたりから漂ってくる。いちょう通りは昨今、各務原ラーメンストリートと呼ばれるようになり、通り沿いには多くの店が点在している。数ある人気店の中でも、特に行列が目立つのが「らーめんNageyari」だ。
店内は、ラーメン屋というよりカフェにも見える落ち着いた雰囲気の内装になっている。食券を購入してカウンターに座ると、並びの席のスープの香りが食欲を掻き立て、麺をすする音が空腹を焦らす。
2006年に開業してから、各務原市民の愛を獲得してきた一杯は、2日がかりで熟成させた動物系と魚介系を合わせたスープからできている。食材は、奥美濃古地鶏や各務原にんじん、ほうれん草などの野菜類も出来る限り県内産を使用しており、地元のうま味が見事に調和し凝縮されている。お客様のために常にベストを尽くしたいという店主・坂口喜朗さんのラーメンにかける熱い思いは、厨房での無駄のない動きや真剣な眼差し、凛とした空気感からひしひしと伝わってくる。
「お客様の味の好みでおすすめのラーメンは変わります。だから、あっさりしたラーメンもこってりしたラーメンも用意しています」。一番人気はつけ麺とのことだが、どのラーメンをいただいても、心も体も温まるのはNageyariならではである。
市外在住の坂口さんは、元々各務原のことをあまり知らなかったそうだが、様々なひととの出会いと12年の歳月を経て、知らず知らずのうちに好きになっていたと語ってくれた。お店のテーマである「小さな出会い、大きな感謝」を心に、この地“各務原”から明日への活気を魂の一杯から発信していく。