幼いころから大好きなケーキ店がある。市北部の田畑が広がる蘇原赤羽根町に店を構える「洋菓子のたまご屋さん」だ。
大通りに面しているわけでもなく、大きな看板があるわけでもない。しかし、クリスマスや土日だけでなく平日も、常にお客さんが列をなす。記念日を祝う家族連れや制服姿のまま立ち寄る高校生、遊びに来る孫の顔を思い浮かべながらケーキを選ぶ老夫婦。皆が嬉しそうにケーキボックスを下げて家路を急ぐ。
店内のショーケースには、20種類ほどの商品が並び、思わず目移りしてしまう。ケーキはどれも1個230円、10個で1900円と驚きの価格。
「一番人気は、やはりショートケーキ。週末限定の「たまご屋ロール」を求めて、遠方から買いに来る方も多いですよ」と、この店の2代目店主で代表取締役の佐藤之記さんは話す。ケーキの味やデコレーションは、従業員全員で意見を出し合って創り上げているという。
もともと養鶏場を営んでいた先代が、卵の販売だけでなくケーキの製造販売を始めたことが「洋菓子のたまご屋さん」のはじまり。店名は、「みんなが気軽に来られて好きなケーキを食べてほしい」という想いが由来で、親しみやすい「たまご屋さん」と名付けられた。創業約30年、佐藤さんは6年前に受け継いだ。卵や小麦粉、チョコレートなど、ケーキ作りに欠かせない材料の価格が高騰する中でも価格を維持し、先代の味を守り続けている。その一方で、新しいケーキ作りへの追求は怠らず、ケーキの販売を始めた当時から種類が倍近くとなった今でも探求心が尽きることはない。
私が幼いころから誕生日やクリスマスのケーキの定番は「洋菓子のたまご屋さん」だ。その中でもお気に入りは「ショコラ」。愛情のこもった優しい甘さは格別で、チョコレート好きにはぜひ食べてほしい。また、チョコレートケーキはショコラだけでなく、「オペラ」や「ザッハトルテ」などたくさんの種類があり、いろいろな味わいを楽しむことができる。
子どもからお年寄りまで老若男女に愛される「洋菓子のたまご屋さん」。佐藤さんのケーキ作りにかける強い情熱と気さくな人柄。これからもたくさんの人を笑顔にし続けていくだろう。私のお気に入りのお店のケーキを、あなたにもぜひ味わってほしい。







