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暮らしに息づく「ものづくり」への想い。

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暮らしに息づく「ものづくり」への想い。

曲物工房清水・曲師

清水 貴康シミズ タカヤス

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2024.08.02

工房に入った瞬間、そこに満ちていたのは、朗らかな笑い声と清々しい木の香り。思わず鼻から息を吸った。夏の訪れを感じるある日、実直にものづくりに向き合い、静かに情熱を燃やす1人の職人・清水貴康さんに出会った。

2021年、地元である各務原に「曲物工房清水」を創業した清水さんは、あふれんばかりの笑顔が魅力の職人だ。「清水さんと一緒に働き続けたい」と、工房でともに働く職人さんがそっと教えてくれた言葉に、出会ったばかりの私も思わずうなずいてしまう。

曲物とは、その名の通り、木を曲げて作られる物を指す。例えば、せいろ・おひつ・弁当箱など。どれも、人々の暮らしに寄り添い、日々の営みを支える道具だ。かつては当たり前にどの家庭にもあり使われていた。現在は、馴染みが薄くなったものの、暮らしを豊かに彩る道具として人気が高まっている。

曲物を作る職人を「曲師(まげし)」という。曲物師・曲師屋など、呼び方は様々あるそうだが、清水さんは「曲師」を名乗っている。そもそも、大学卒業後に金融業界で働いていた彼が、なぜ曲師になったのだろうか。

ものづくりに興味を持ちながら育ったものの「ものをつくる仕事に就く」という気持ちはなかったそう。しかし、金融の仕事で「木のものづくり」に携わる人々と関わるうちに、職人減少の深刻な問題に直面した。その助けになりたいという強い想いが、清水さんのものづくりの世界に踏み出す一歩となったのだ。

一念発起。美濃市にある森林文化アカデミーで木工を学ぶ道を歩む。縁が重なり「曲物」へと導かれ、ものづくりの職人となった。暮らしの道具である曲物は、杉や檜で作られる。いくつもの工程を経て生み出される様は、奥深く職人の技が光る。現在、曲師は全国でも数少なく、岐阜県内にはわずか数人。技術の継承はハードルの高い課題だ。
「全国各地に曲師を生みたい」
清水さんの夢は壮大だ。後進の育成にも力を入れ、着実に歩みを進める姿を見ていたら、実現する日は確実に訪れると強く感じた。ここ各務原から、日本のさまざまな場所へ。

長く大切に使い続けたい曲物のある暮らし。温もりを感じる丁寧で心地よい日々が過ごせそうだ。

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2024.08.02

WRITER PROFILE

松田 ともみT.MATSUDA_OFK

生まれ育ちは木曽川を挟んだおとなりの愛知県。名古屋でインテリアに関わりながら慌ただしく過ごしている内に、もっとほっこり暮らしたいと考えるようになりました。2021年、森の近くをめざし、各務原へ!各務原の魅力をたくさん探しながら、みなさまにお届けしたいと思います。

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