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夢を胸に空を仰ぐ。

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夢を胸に空を仰ぐ。

AeroVXR合同会社 CEO

安村 佳之ヤスムラ ヨシユキ

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2022.11.09

私は極端なまでの「数字アレルギー」を自認している。我が家の時計は壁にひとつだけ。カレンダーは無い。滑稽なほど、数学的なことが苦手だ。なのに、である。

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(そらはく)で行われているプログラミング教室の見学が楽しくて仕方がなかった。航空宇宙ロボット教室を2回、ドローンSTEM教室を1回見に行った。受講は、小学一年生から可能だ。

パワーポイントを用いた説明を聞きながら、「(参加している子どもたちは、)この話が解るの?私が解らないのに?」と眉間に皺を寄せる。指導するボランティアたちは敬語を使い、言葉をかみ砕かない。それでも、小さな手がキーボードを叩き始める。年端のいかない子どもたちから、目が離せなくなっていた。

この講座を立ち上げたのは、元テストパイロットであり、AeroVXR合同会社代表の安村佳之氏である。関係者に聞けば、異口同音に「MRJの初飛行を成功させた凄い人」だと言われる。
展示の中から、実際に操縦していたという機体を紹介してもらった。狭いコックピットを見て、空の上で孤独にならないかといぶかる私を横目に、キラキラと表情を輝かせる。空と飛行機が心底好きなんだと伝わってくる。

安村氏のそらはくとの関わりは、「自分たちで作った飛行機を飛ばしたい」という夢からスタートしている。パイロットであった安村氏や飛行機の設計士など60数人が集まって製作したというからびっくりだ。完成した機体は、許認可の関係で飛ばすことは叶わなかった。とはいえ、聞いているこちらまでワクワクする。たまらず、博物館に無理を言って保管されている倉庫に入れてもらった。注意書きが手書きだったりと”手づくり”を感じる部分もあるが、溶接ひとつとっても展示機に引けを取らず、完全に趣味の域を超えている。

話をはじめに戻す。
講座になぜ惹きつけられたのかといえば、一握りのエンジニアたちしか持ち得ない知識を以って尚、子どもたちに敬意を払い、まるで大人にするように接する姿。学校では出会えない、特別な世界をビジョンに持った人たちとの交流に心が動いたからだ。魅力的である。安村氏は、「(子どもたちの)意志を育てたい」と話す。大概のことがスマホで答えをはじき出せる時代に生きている今だからこそ、大人がゴールを用意した道ではなく、自ら考え、模索する余地を残していることは、大きな意味を持つはずだ。

ひとは何をきっかけに夢を思い描くのか。親の背中を見て、学校の先生に憧れて、友達との会話から。あるいは、メディアを通じてということもあるかもしれない。いつ、誰と出会うかということは、人生において最も重要なことのひとつ。大人になってからの出会いも大切だが、子ども時代のそれには計り知れない影響力がある。

安村氏は、近い将来、車が空を飛ぶ日が来るだろうと言った。私の頭には、タケコプターしか浮かばない。それでも夢を纏ってまっすぐに放たれた言葉を、私は信じようと思う。

 

撮影協力:岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

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2022.11.09

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