
名鉄新鵜沼駅の北側、踏切待ちをしているときに、ふと目を横に向ける。「大島屋」の文字を見たことがないだろうか。ここ「大島屋」は、創業70年ほどの和菓子屋さんだ。縁あって先代から鵜沼山崎町に店を構え、現在は2代目である大島康弘さんが店主を務める。
もとは和菓子だけではなく、様々な商品を扱う商店であった。康弘さんの「大島屋の看板商品を作りたい。」との思いで、25年ほど前から和菓子のみを提供するようになった。創業当初から提供していた、お茶会用の和菓子の中でも、粒あんが好評だったこともあり、「きんつば」が徐々に看板商品として根付いていったという。
看板商品となった「栗蒸しきんつば」。味の決め手は、県内産の栗の渋皮の処理だという。「渋皮の処理が悪いと苦みが強く、きんつばの味に影響が出てしまう。少しだけ苦みを残すことで、甘さが際立ち、味に深みが出る。だから栗の甘露煮は自社で作っています。」とその作業の丁寧さから、かなりのこだわりの強さがうかがえる。粒あんはもちろん、こしあんと白あんも自社で作られているのは珍しい。「栗やあんこも、業者から仕入れたものを使用しても、同じような商品ができるし、仕込みの時間も短縮できると思うけど、やっぱり自分が安心できないんだよ。」と笑いながら語ってくれた康弘さんの、納得したものしか扱わないという、職人としての熱い想いが感じられた。
こだわりの逸品は、柔らかな粒あんの中に、小豆の皮がしっかりと残り、栗とのバランスが最高だ。味、風味、食感すべてを楽しむことができる。あんこがぎっしり詰まっているにもかかわらず、口の中に嫌な甘さが残らないのも、本来の食材の甘さを最大限引き立てることを追求することで生まれたものなのだろう。
きんつばだけでなく、抹茶クリーム大福や、期間限定のいちご大福など、若い方にも親しみやすい商品も販売されており、いずれも人気の商品となっている。遠方からのお客さんの口コミがきっかけで、近所の方が、「近くにこんなおいしいお店があったなんて」とお越しいただくことも少なくないという。
そんな贈答用として喜ばれることが多い「大島屋」の逸品。親族の集まりや、どこかへ出かける際の手土産などで、ぜひ利用してもらいたい。「栗蒸しきんつば」の絶妙な味とともに、店主のこだわりを感じるだろう。
大島屋
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