「アットホーム」。月並みだが、この職場を一言で表すとしたら、私はそう答える。

　きっかけは、大学2年の夏に参加した園の見学会。右も左も分からない私を、温かく迎えてくれた先生たち。子どもたちもとても楽しそうで、心の距離が近い。規模が大きくないからこそできる、手の行き届いた保育に魅力を感じ、就職を決めた。

　1年目は、未満児クラスの副担任を務めた。子どもたちにとって、先生は先生。新人扱いはしてもらえない。一人一人、性格や成長が違うため、何を基準に子どもたちに教えればいいのか分からない。自分の未熟さに悩んでいた。

　そんなとき、手を差し伸べてくれたのは先生たちだった。「保育に正解はない」、「完璧でなくていいよ」。そんなアドバイスで、強ばった心がほどけていった。

　「大事なのは、心の声を聴くこと」。悩む私を解ってくれた先生たちから、子どもの想いに寄り添うことの大切さを教わった。

　0～6歳の期間は、人間の根本を育む大切な時期。責任を感じるが、今は、そこに携われる喜びの方が大きくなった。「先生、また明日ね」。そう言ってくれる子どもたちの笑顔が、何よりうれしい。

　今年度からは主担任。忙しさも責任も、去年とは大きく違う。それでもきっと、やり遂げられる。今の私には、子どもたちの「想い」が聴こえるのだから。

（広報各務原　2020年8月1日号掲載）

【秋田　華奈　あきた　かな】
保育士2年目、現在は年中児「ばなな組」の担任。休日は、友人とカフェや買い物を楽しむ。