自然に囲まれた閑静な住宅街。庭に植えられた一本の大きなミモザの木が、明るく歓迎するように立つsalon75。扉を開けた途端、ミモザにも負けない程明るく、とても気さくに迎え入れてくれたのは、このサロンを営むNanakoさん。そこからNanakoワールドに引き込まれていった。
Nanakoさんは、主婦としての知見やこれまでの経験を基に、2017年1月から小さな食卓を囲む会・salon75を始めた。「笑っていたい」。これからの人生を考えたとき、そう思ったと彼女は言う。そして、「人と一緒に笑っていたい。その中にいるというのではなく、一緒にいたい、楽しいと思える場を作りたいと思った」と続けた。
「料理教室だが、単なる料理教室ではない。あくまでも料理はコミュニケーションツールのひとつ」とNanakoさん。今までの観念が打ち壊された、とても印象に残った言葉である。
作業は必ずみんなで協力して行い、レシピを見ながら作るが、レシピ通りに進まない時は、何か別の方法を他の参加者も含めて全員で考えたり、意見を出し合ったり試行したり。そうしてレシピのメニューを仕上げていく。そうすることで、料理を通じて参加者同士が心からつながり、同じ経験・場所・時間を共有することで生まれるフラットなコミュニティを大切にし、一人一人が日常から解放された自分らしい時間を過ごすことのできるサードプレイス。それがsalon75。
SNSが普及し、コミュニティが希薄になりつつある今だからこそ、より必要とされる場所でないだろうか。
「集う、集まる場所」といった意味もあるsalon。「料理教室ではない、かけがえのない唯一無二の場所」を提供しているからこそ、彼女がこの言葉を選んだ理由が窺える。
「ここは、お客様が私を育ててくれた場所。そして、みんなで一緒に育っていける場所であり、全員が自分でいていい場所」。この場所での出会いから、気持ちが明るくなったり、刺激を受けたりすることで、何かを始める原動力やそのきっかけづくりができる。そんな場所になったらうれしいと話すNanakoさんに、人と人とのつながり、また、出会った方と過ごす時間を大事にしている方だと感じた。
様々な経験を重ねてきた彼女の一つ一つの言葉には、自然と人を惹きつける力、新しい何かに出会いその後自然と前に進み出せる、そんな力がある。salon75での時間はとても濃密で、スパイスの利いたNanakoさんの言葉が私の心も動かしてくれた。「自分」というかけがえのない存在を労り、ありのままの自分で楽しむことの大切さを知った。
ミモザの花言葉は「感謝・友情」。お客様や出会った人とのつながりに感謝しながらsalon75のさらなる成長を期待するNanakoさんと、仲間と共に日々葛藤しながら今後実現させたい夢に挑戦し続ける彼女を表現するに至適な花であると感じた。
まだまだNanakoさんの挑戦、salon75の成長は止まらない。持ち前の明るさやNanakoスパイスによってどのような進化を遂げていくのか楽しみである。
比田井 友里y.hidai_ofk
池田町在住 マーケット日和のボランティアをさせて頂いたことがきっかけでライターに。微力ではありますが、私なりの視点から各務原の良さを発信できればと思います。よろしくお願いいたします。