お気に入りのアイテムを使うとき、普段より少し気持ちが上がることがある。
使い方は同じでも、使うものが変わるだけで、いつもの日常に潤いがプラスされることがある。
素材やその背後にあるストーリーを知ると、より大切にそして長く使い続け愛着が生まれる。
毎日使うもの、繰り返し使いたいもの。
meguru -low waste shop-岐阜支店は、暮らしにそっとプラスしたくなる、そんなアイテムに出会えるお店。

2坪程の小さな店内には、公園が近いからか鳥のさえずりが聞こえ、ゆったりとした時間が流れる。天然由来の素材からできたものや、アップサイクルされたものなどが並ぶ。それは、文房具やキッチン雑貨、靴下やアクセサリーといった、どれも身近にある普段使いのものばかり。
毎日使うものだからこそ、素材や柄、色など、自分好みのものに出会うとそれだけで楽しくなる。そして、そのひとつひとつにあるバックグラウンドを知ることで、心がより動かされるものとなる。

クロスステッチが愛らしいリネンのキッチンクロスは、使うほどに馴染み、暮らしの色々な場面で活躍する。原材料や裁断、縫製、刺繍にいたるまで日本国内で行われるエシカルなもので、作り手の長く愛される生地をつくりたいという思いが詰まっている。ホタテの貝殻をアップサイクルした白いパウダーは、素材本来のアルカリ性の特性を活かし洗剤の代わりとしても使える。貝殻の廃棄による土壌汚汚染や海中の生態系への影響が懸念されていることを知ると環境について考えるきっかけが生まれる。

「地球に優しいことは、自分にも優しい」と、店長の加納美香さん。笑顔が素敵な彼女の耳元には、白を基調としたイヤリング。海辺に流れ着いたプラスチック片をアクセサリーへアップサイクルしたものだ。
目指すのは無駄がない「zero waste」かもしれないが、まずは「low waste（無駄の少ない）」から意識することが、心地よい暮らし方につながるのではないかと話す。
洗剤やシャンプー、フレグランス商品などは、持参した容器に欲しい分だけ購入する「量り売り」スタイル。リフィルステーションとしてプラスチックごみ削減、また、サステナビリティな暮らし方を提案する。

毎日使う身近なものだからこそ、長く愛し使い続ける。無駄の少ない暮らし。
お気に入りに囲まれた、心地よい暮らしをあなたへ。

写真：OFKライター 水越咲良