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買いにいける葡萄農園。

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買いにいける葡萄農園。

坂井農園

サカイノウエン

2021.08.03

名鉄新加納駅から歩いて西に10分。住宅街を抜けると各務原台地の縁に坂井農園がみえてくる。事務所の玄関先にはワインボトルが入ったカゴに「ワインあります」の案内板。こんな街中にあることに驚いてしまったが、坂井農園は主に葡萄を栽培している果樹園だ。玄関口から中庭を抜け奥に進んでいくと葡萄棚でいっぱいのビニールハウス。ハウス内には大広間を支える柱の様に一定の間隔を空けて葡萄の木が並んでいる。ここではデラウェア、巨峰、長野パープル、ナイアガラ、シャインマスカットなど10種ほどの葡萄が栽培されているそう。
特徴的なのは、店頭販売のみで卸業者や青果市場などへの流通は行っていないこと。
お話を聞いている最中にも葡萄を買いに立ち寄るサイクリング中の家族の姿があった。取材にお邪魔したのは6月。残念ながら収穫シーズン前でその家族は手ぶらで帰っていったが、野菜、果物はスーパーで買うのが普通になっている僕にとって、生産者から直接農作物を買うこのシステムは新鮮であった。葡萄はこれからがシーズン!デラウェアは7月下旬~8月中旬、巨峰は8月上旬~10月上旬が販売時期だそう。先ほどの家族じゃないが、僕も次回はリベンジにお邪魔したい(笑)。

農園の3代目を務めるのは坂井重晴さん。
坂井さんは、会社勤めをしつつ父親を手伝って家業であるこの農園の運営に携わってきた。平成20年頃、自身の定年を契機として父親からこの農園を引き継いだんだそう。現役時代は電車部品のメーカーに勤務していた坂井さん。農業とメーカー、全く業種は違うようだが、工場も農園も上手く運営するために適正な管理が必要と言う意味では一緒、坂井農園の運営にも当時のノウハウが活かされているようだ。事務所内の棚には農業資材などが整然と収納されているし、自治体に提出する低農薬を証明するための書類などもていねいにファイリングされている。坂井さんの几帳面さもあるのだろうけど、何となく電車部品を製造する工場などのそれと同じ様な雰囲気を感じた。

葡萄は、果物全般を見回しても栽培に手間のかかる部類の作物だそう。生産にかかる労力を数値化すると、米を1とした場合、葡萄は10とも謂われるそうだ。
種無しにするためのジベレリングを2回施したり、葡萄の粒を大きくするため定期的に摘粒したり。それぞれの作業はその性格上、機械化できず全て人の手によって行われる。例年、坂井さん夫婦ほか3人で作業を行っているようだが、なかなかの重労働だと思う。ハウス内は湿度が高く作業するのに決して楽な環境とは言えないし、気温が上昇する5~6月に作業が集中する。取材の際、僕は農園内を少し歩き回るだけで汗だくになり、中腰の姿勢が長かったからであろうか、翌日からしばらく腰痛に悩まされることになった。決して楽な仕事でないが、それでも毎年、農園の葡萄を買い求めて訪れるファンの期待に応えるため日々作業に取り組む坂井さんには頭が下がる。

坂井農園のもう1つの特徴である「農家のワイン」にも触れておく必要があるだろう。坂井さんの祖父にあたる、初代・重平さんの生家が味噌・醤油づくりを生業としていたことで、その発酵に関する知識・ノウハウを活かして始めたワイン作り。葡萄を皮ごと破砕、搾汁し、ワイン樽で発酵させる大正時代からの製法が100年近く経った今でも貫かれているんだそう。一般的なワインとは一線を画するその野性味溢れる味わいが地元民の心を掴み、決まって毎年買っていくファンも多いそうだ。将来的には要望の多い赤ワインの製造にも取り組んでいきたいと話す坂井さん。坂井さん一族の3世代に亘る努力のほか、葡萄、ワインを楽しみに農園を訪れる皆さんとともにここまで歩んできた坂井農園。今後も息長く続いていくことを願ってやまない。

坂井農園

DATA

坂井農園 サカイノウエン

各務原市那加新加納町2100-1
営業時間:9:00~18:00
定休日:水曜日(8月を除く)
TEL:058-382-4648

2021.08.03

WRITER PROFILE

南村 高志MINAMIMURA TAKASHI

1979年生まれ。会社員、2児の父です。音楽好きで週末の夜は柳ケ瀬界隈のライブハウスに出没します。市民ライターへの応募はOFTにタダで入れるのでは?との不純な動機からでしたが、まじめに各務原市のヒト・モノ・コトを発信していきます。

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