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「チェアリング」とは、ライターのスズキナオさんとパリッコさんが提唱した、アウトドア用の折りたたみイスひとつを持って外に出て、好きな場所に置き、好きなように過ごすアクティビティである。少人数で、装備は手軽に、マナーを守ることが原則の、大人の遊びだ。
「イスを持って公園集合」と言われ、折りたたみイスと飲み物などを持って公園へ集合。
今日の集合場所は「学びの森」。昭和57年まで岐阜大学農学部があった場所だ。
近くに教育施設が多いことから「学びの森」と名付けられ、平成17年に公園としてオープンした。
そういう歴史もあって、緑が濃い森という印象を受ける。
まず、イスを置く場所を探す。
とにかく広い!あとで調べたら5.8ヘクタールもあると言う。選び放題だ。
まず眺めの良い高台の場所を選んでイスを置く。遠くに岐阜市の金華山なども望める。
気づけばそこは各務原台地の端ではないか。私たちの各務原市はこの台地が面積の約22%を占めている。
ゆったりとイスに座りながら台地からの眺めを楽しむ。普段からここで散歩することはあっても、こうやってゆっくりすることはない。広大な台地に思いをはせる。台地からの眺めを楽しんだ後、台地の下にも行ってみたくなった。
台地の下には「青葉の池」があり、子どもたちがザリガニ釣りや魚釣りなど思い思いに楽しんでいる。
脇には竹林もあり、涼やかだ。
台地の下から見上げてみる。周囲に存在しているはずの建物が見えなくなった。まるで緑に囲われ、包まれているかのよう。
あとで知ったがここは「まきば」。その名の通り牧場(ぼくじょう)があったところらしい。
たまたま置かれていた台地の上の自転車が絵になる。
この閉ざされた空間が、リビングのようにも思え、なんとも居心地がいい。
持参したイスの座り心地を比べたり、撮った画像を披露したりしてこの空間と時間を楽しむ。
そのうち、各務原飛行場(航空自衛隊岐阜基地)を発着する自衛隊機が空を飛ぶ。旋回したり、光に当たって輝いたりするさまを楽しむ。普段ならうるさいと思うものが、神々しくさえ見える。
仲間の一人が裸足になった。芝生が心地よい。各務原台地を肌で感じることができた。
ここ、学びの森には他に「陽だまりの丘」「さざなみ」「霧の泉」などもある。
イスひとつで、公園がリビングになる。これは「新しい生活様式」での公園の新しい楽しみ方ではなかろうか。
文:OFKライター 篠田雄一朗
事務局メモ
~各務原台地~
市の中心に位置する各務原台地は、周囲より10m前後高くなっているため、災害のリスクが少ないと言われている。さらに、台地をゆっくりと浸透し、蓄えられた地下水は、ミネラルを豊富に含んだおいしい水道水の源となっている。