航空機が飛び立つ姿は幾度となく見てきた。生まれも育ちも各務原。今は、無事に飛び立つ姿を、喜びと安堵の思いで見送っている。
航空機部品の製造・組立を行うわが社。4年目を迎える今も「人の命を預かる仕事」の重責に耐えられるよう、研鑽(けんさん)を積む毎日だ。
配属は、特殊工程係 熱処理班。アルミで成型された板金部品を熱処理炉で熱した後、冷却液にくぐらせることで硬度を高める。元来柔らかい素材のアルミは、熱処理を施すことで、強固な航空機の部品となる。決まった作業工程を踏まなければ、狙った硬度やしなやかさは実現せず、航空機の破損につながる。同じ材質でも形状が異なれば、処理工程も異なってくる。同じ形状でも、成型時期が違えば同じ結果が得られない。そこを見極めていくのは経験しかない。
新人の自分を指導してくれたのは、退職を控えた大先輩だった。全てを吸収したいと、そばを離れず教えを請うた。部品ごとに異なる方法を全て記憶し、工場内の2つの炉を効率よく運用しなければならない。航空機の安全は熟練によって確かなものとなる。まだまだ経験は足らないが、少しずつ自信が芽生えてきた。「早く班長になれ」との激励の言葉に、うれしさと不安が入り混じる。
今日もキャップのつばを強く握り、カバーグラスを掛ける。自然とスイッチが入り、緊張が走る。誇りを持って前に進みたい。拳に力を込めた。
(広報各務原 2019年6月1日号掲載)
【栗木 一将 くりき かずまさ】
高校時代はホッケー一筋。「ホッケー部があることに親しみを覚えたこと」が入社の決め手に。21歳。
天龍エアロコンポーネント株式会社
天龍エアロコンポーネント株式会社 テンリュウエアロコンポーネントカブシキガイシャ
各務原市蘇原興亜町1-1
TEL:058-382-6431(代)
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