子育てや教育を重要視した、子どもにやさしい市政を展開している各務原市。同市は平成26年度より「各務原寺子屋事業」を立ち上げ、平成28年度からはより内容をバージョンアップさせた「かかみがはら寺子屋事業2.0」として実施している。地域資源と地域住民、その中心に子どもたちを据えたこの寺子屋事業に、浅野健司市長は力を注ぐ。
「寺子屋事業」は、地域の人材や資源を活かして、子どもたちの夢や目標、郷土愛を育む事業となっており、一方で、世界で活躍できるグローバルな人材育成にも目を向けている。
さらに、もうひとつ重要な視点が〈地域(=教える側)も育つ〉という点だ。例えば、ものづくり現場を見学する事業では、「航空機をはじめ、ものづくり産業が活発な各務原市では、単なる社会見学に留まらない、各企業で働く人々(=地域住民)と学校教育を結びつけ、市民協働でつくりあげていくまちづくりを目指している。」と市長。中には子どもたちから飛び出した想像力豊かな質問が、技術者たちに良い刺激を与えたというエピソードも。
あくまで子どもたちの教育を中心としながらも、そこに学校や企業、そして地域住民らをコミットさせていくことで授業カリキュラムの充実だけではなく、市内の子どもたちと大人たちのつながりをより強いものにし、双方に良い影響を与えていくことが同事業の命題となっている。
その他にも、「学童保育の受け入れ時間を30分早める」など市民との対話から生まれた、きめ細やかな制度も実現してきた。そこには、〈市民みんなでつくりあげていく、幸せを実感できるまちづくり〉という市長の掲げるテーマが体現されている。
そんな市長自身も普段は2児のお父さん。「子育ては楽しいもの。それをバックアップするのは行政の役目。」という言葉には強い思いを感じ取ることができる。未来ある子どもたちの夢の実現をサポートしたいというひとりの父親としての気持ちとともに、市長自身も生まれ育った各務原の成長と郷土愛が、彼の力の源となっているようだ。
武部 敬俊LIVERARY
名古屋を拠点に、ローカル/カルチャートピックスを日々発信/提案しているウェブマガジン「LIVERARY」編集部の武部です。岐阜県各務原市の魅力を市民協働で発信していくサイト「OUR FAVORITE KAKAMIGAHARA」をお手伝いしています。市民ライターの方々と楽しみながら記事を制作していきたいと思っています。どうぞよろしくです。