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まちの社交場づくり。

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まちの社交場づくり。

株式会社ザ・ソーシャル 代表

長崎 正幸ナガサキ マサユキ

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2023.02.24

地元の思い出の場所として指定された村国座で落ち合うこととなった。簡単なあいさつを交わす。「顔が真っ黒なんですよ。」開口一番、恥ずかしそうに笑う長崎正幸さんは、名古屋市を中心にイベントなどの企画運営をする株式会社ザ・ソーシャルの代表を務める人物だ。名古屋で行われているSOCIAL TOWER MARKETやSOCIAL CASTLE MARKETといえば、分かる人もいるのではないだろうか。この時も連日の屋外でのイベント運営ですっかり日焼けしてしまったらしい。

高校まで各務原で過ごした長崎さん。指物大工だった祖父の影響か、幼いころは大工になりたかったそうだ。結果、大学で建築を学び、ビルなどの建設現場監督の仕事に就く。
そこから、なぜ今に至るのか。
その問いに「勢いです」と一言。
転機は名古屋市役所へ転職後。建築を指導する部署から観光部署に異動し、建物に詳しいとの理由から担当したのが名古屋テレビ塔だった。時代はアナログからデジタルへ。電波塔としての役目を終えるテレビ塔をシンボルに据え、広場を使ったイベントを企画した。この時、参考にしたイベントのひとつが、冒頭で待ち合わせた村国座での音楽フェス「OUR FAVORITE THINGS」だったという。
市の職員として裏方を務める長崎さんと、プロデューサーやデザイナーといったメンバーが出会い、スタートしたのがSOCIAL TOWER MARKET。以来、毎年開催を重ね規模が大きくなったことで、「会社作っちゃおうよ。長崎さんが社長で。」という、あるメンバーの言葉に思わず「やる気」になってしまったのが2019年の年末。本当に勢いだったのだ。ただ、本人の人生設計では、50歳までにもう一度転職しようと決めていたというから、少し予定が早まっただけの感覚なのだろう。

肝心の会社の経営はといえば、起業時期がコロナ禍と重って、思ったように動けない悔しさを経験した。仲間の個性をまとめて形にしていく難しさも味わった。一筋縄ではいかないと言いながらもMARKETを続ける彼には強い思いがある。
目指すMARKETのコンセプトは、社交場づくりだ。
訪れる人が誰かと出会い、そこに行けば誰かに会えるような社交場。その先には、「その場所の魅力に気づき、自分たちのまちを好きになってもらいたい。」そんな思いが込められている。
年に一度の非日常の創出だったイベントは、紆余曲折を経て、日常の楽しみの創出へと変化しつつあると言う。長崎さんの活躍の場も賑わいを創出する実証実験に関わるなど各地へと広がりを見せている。

帰り道、長崎さんの実家付近を通る。何気なく各務原でやりたいことがないか尋ねてみた。すると、子どものころは近くの山や田んぼが遊び場で、友だちといたずらをしてよく怒られたと笑いながら、「その仲間たちが地元に残っているんです。大人になっていろんなスキルを身に付けた彼らと何かやりたいな。」と返ってきた。今あるものの根底には、楽しい思い出とともに地元への愛情が紐づいているのかもしれない。

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2023.02.24

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