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市民同士が力を合わせ、課題解決していく逞しいまちを目指して。

FEATURE

市民同士が力を合わせ、課題解決していく逞しいまちを目指して。

市民同士が力を合わせ、課題解決していく逞しいまちを目指して。

地域で活動する点と点をつないでいく
「まちづくり担い手マッチング事業」

2021.04.01

どんな小さな町にも様々な人材が溢れている。しかしながら、それらの小さな活動は大きな告知力やコネクションがなければ、なかなか表に出ることは少ないだろう。自分たちの地域のために、地道な活動を続けるスキルとハートを持った人たちを結びつけ、育むための新しい事業でありプラットフォーム、それが「まちづくり担い手マッチング事業」だ。

すでに多くの方がこの事業にエントリーしている。参加者リストには、ラジオ体操、オペラ歌手、人形劇、紙芝居、さらには1BOXカーの無料レンタルなどなど、ありとあらゆる個人や団体が並んでいる。そのいずれもが、ボランティア精神で活動している方々。

このマッチング事業の記念すべき第一弾コラボが、ドローン撮影と動画編集の技術を持った杉山正幸さんと、子どもたちとともに「スポーツ鬼ごっこ」などのレクリエーションを行っている「みっぱらキッズ」代表の吉實拓人さんのお二人。二人はどんな経歴で、現在の活動に行き着いたのか? このマッチング事業を通してどんな掛け算が生まれるのか? 担当者のまちづくり推進課・桒原さんと野村さんとともにお話を伺ってみた。

(※取材当日は、中学生たちとのスポーツ鬼ごっこが行われる予定でしたが、緊急事態宣言中であったため中止となりました)


写真両サイドは、まちづくり推進課の野村さんと桒原さん。写真中央に、今回のマッチング事業でタッグを組むことになったドローン撮影技術を持つ杉山さんとみっぱらキッズ代表の吉實さん。

 

ーではまずこの「まちづくり担い手マッチング事業」について簡単に説明してもらえますか?

桒原:各務原市内で様々な形で活動をしている団体や個人同士を、文字通りマッチングさせるための事業となります。もともと団体さんたちの声から生まれた事業で。市内の人材を知ってもらうためのものでもあります。市民同士が自分たちで繋がりあって、自分たちの理想のまちを作っていかなければならない時代になっていく、と思っていて。まずはやりたいことで繋がって、広げていってもらえたら、という試みなんです。

ーエントリーしている方々がすでに65団体もあるんですね。

野村:企画の段階から、各課にも協力してもらって、様々なジャンルの方々にこのマッチング事業に声かけをさせていただきました。交流会も行いまして、気になった方に「ラブレター」という用紙を出せるようにしてまして、それをお相手にお渡しして、お互いに気になるってなったらマッチングってことになります。

ーこれって各務原市独自の取り組みなんですか?

桒原:京都市でも事業や取り組みを「宝物」として登録できて、それに対して繋がることができるような取り組みをされていますね。


「まちづくり担い手マッチング事業」資料より

 

ー今回、ドローンの杉山さんと「みっぱらキッズ」の吉實さんが初めてのコラボってことになるんですね。なぜお二人はこのマッチング事業に参加し、マッチングするに至ったんでしょうか?

杉山:個人同士だとなかなか知らない方に声をかけるのが難しかったりしますが、この事業が間に入ってくれるってのはありがたかったですね。

吉實:もともと役所の方から杉山さんのことは紹介してもらっていて。「スポーツ鬼ごっこ」の試合の動き全体を上空から撮影できるドローン撮影が行える杉山さんは魅力的でした。

 

 

ー吉實さんは、もともと子どもや体育に関わる仕事をされてたんですか?

吉實:いえいえ、もともとは理学療法士をしていました。今は障がい者の就労支援の会社がメインの仕事にはなります。地元が各務原ってことで、何か地元に貢献できることはないかなって考えてて、それで始めたのが子どもたちとレクリエーションを行う「みっぱらキッズ」という活動です。基本的には教育学部の学生さんなどにスタッフになってもらってます。

ー杉山さんは?

杉山:私はドローン撮影と、動画の編集を退職後、趣味の延長でやっていて。小学生たちに動画編集の技術を教えたり、警察や消防署に行ってドローンを使った防災の仕組みを講演したりもしています。ドローンって上空からこうワイルドな動画が撮れるってイメージがあると思うんですが、結構細かな動画とかも撮れるんです。そういう意味で、もっといろんな映像を撮ってみたいってなったときに、知り合いを広げていけたらと思って、参加しました。

 

 

ーもともと動画の仕事をされてたんです?

杉山:私は映像関係ではないんですが、通信会社のデータセンターにいて、ネット関係の修理をするエンジニアの仕事をやっていました。単純に新しい技術に興味があって、そこに追いついていきたいっていう気持ちがあって、映像に傾倒していったって感じですね。映像を触るようになったきっかけは、20年前くらいに知り合いの太極拳の大会を撮ってほしいって言われたのが一番最初ですね。撮影するだけじゃなくて、そこにタイトルや音楽をつけてあげるってところまで楽しくやってます。

ー最近はYouTuberも流行ってるので、子どもたちも興味津々じゃないですか?

杉山:講演をさせてもらったとき、6年生の子とかでもうスマホで動画編集してるよ〜なんて子もいましたね。そういう若い子たちとの交流も楽しいですね。

吉實:最先端技術と言えば、自分も重要文化財の説明が見れるようなARアプリや、海外の子ども向けにVRのアプリを作ったりする仕事もしてまして。それが障がい者の就労支援にもなっていて、発達障がいなどの障がいのある方々にプログラミングを教えたりしています。なので、そういうドローンとか映像技術については多少なりとも知識があったんで、杉山さんとのマッチングは嬉しかったですね。

 

 

ー吉實さんに質問なんですが、「スポーツ鬼ごっこ」の資料に書いてある「足育(あしいく)」って何なんです?

吉實:走り方を変えることで、足を育成するってことですね。子どもたちの身体を正しく成長させてあげるためには正しい走り方のフォームが大事になってくるんですけど、そこを理学療法士の知識を生かして医学的にアドバイスしてあげています。

ーへー!なるほど。

吉實:なかなか学校の部活や、クラブ活動ではそういう基礎的な、正しい走り方なんてところまで教えてもらえないので。最近だと「スポーツ鬼ごっこ」のクラブチームとかもあるんですよ。結構、野球とかサッカーとかやってる子たちが並行して「スポーツ鬼ごっこ」のクラブチームに入ってる子たちもいますね。あと、「スポーツ鬼ごっこ」のいいところは男女や年齢とか関係なくみんなでできるところで。どうしても、球技とかだと、男女や年齢で差がついてしまったりするんですけど、「スポーツ鬼ごっこ」だったら子どもから大人まで誰でも楽しめるのは特徴のひとつです。2年前に「みっぱらキッズ」でアウトドアのイベントも企画してやったんですけど、その時も親子で参加される方がたくさん来てくれました。

 

 

ー「スポーツ鬼ごっこ」がそんなクラブチームができるほどに浸透しているものだとは知らなかったです。親子で参加されてる方がいるってのも納得しました。

吉實:あと、「スポーツ鬼ごっこ」は、フットサルコートくらいのコートで、7対7でやるんですけど、相手のコーンを取ったら勝ち!その間にタッチされたらダメっていうルールで。サッカーやバスケに近い戦略が必要になります。相談して戦略を立ててやっていくものなので、コミュニケーションをとることがかなり重要になってきます。今、コミュニティが少なくなってきているという地域課題もあって。学校でも習い事でもないような場で、関係性を築いていけるって意味でも重要な活動と言えます。遊びを通じて、自立性とかも養っていけるかなと思います。

 


スポーツ鬼ごっこの様子

 

ーコートの上からドローンで撮影することで、フォーメーションとか戦略とかを後から見直したりもしやすいと思うんで、そういったところで杉山さんの力が発揮できそうですね。

野村:練習の振り返りにドローンの映像を使うことがチームの強さに繋がっていくとしたら、各チームにドローンを使える人が必要になっていくので、ドローンを使える人材育成もされたいっていう想いも杉山さんはお持ちなので、そこでも貢献していただけると思います。

ー杉山さんはドローンを使って、消防署等にもアプローチされているってことだったんですが、ドローンをどんな風に使ったら防災に活用できるんでしょうか?

杉山:災害時、上空から撮影することで、火がどこから出ているとか、どこの家が倒壊しているのか?というのが素早く見つけることができるんです。海に近い地域とかはすでに危機感を持ってそういったドローンを取り入れてたりするんですが、内陸部だとそこはまだまだ意識が低いので、その実例も紹介したりして、講習をさせてもらったりしました。

ーなるほど。その他には、どんな活動を?

杉山:小学校からのオファーで、「書き初めを撮ってほしい」って言われて。子どもたちが書き初めしているところを教室内に小さなドローンを飛ばして、撮影したりしました(笑)。

ー何台もドローンを持ってらっしゃるんですね?

杉山:大小20台くらいは持ってますね。

ーそんなにたくさん!!

杉山:講習用に使ってもらうためのドローンもあるんで。もうほんとボランティアでやらせてもらってるんで、気軽に何でも声かけてもらえたらって思ってます。

 

ドローンを飛ばす杉山さん

 

野村:今はコロナの緊急事態宣言のことがあって、元々予定していたような中学校での「スポーツ鬼ごっこ」は実現がすぐには難しいかと思いますが、今後のお二人のコラボに期待ですね。せっかく知り合っていただいたので、またレクチャーの機会なども設けられたら、と。

ーそれにしても、お二人ともすごい人材ですよね。各務原すごいな〜っていつも取材の度に驚かされます!

野村:そうですね〜。各務原にはまだまだ宝物のような人材が沢山いらっしゃるので、それらが掛け合わさることでまた違う魅力が次々と見出されていくことに期待しています。

まちづくり担い手マッチング事業

様々なテーマで活動している「まちづくり活動団体」同士が結び付くきっかけを作り、団体の得意なこと・できることが提供できる場を拡げる(マッチングする)ことで、「地域の困りごと」を「地域で解決」していく「市民によるまちづくり」の促進を図ることを目的としています。

詳しくは、各務原市のホームページへ▶︎ 
https://www.city.kakamigahara.lg.jp/life/shiminsanka/1001857/1001933/1009279.html

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2021.04.01

WRITER PROFILE

武部 敬俊LIVERARY

名古屋を拠点に、ローカル/カルチャートピックスを日々発信/提案しているウェブマガジン「LIVERARY」編集部の武部です。岐阜県各務原市の魅力を市民協働で発信していくサイト「OUR FAVORITE KAKAMIGAHARA」をお手伝いしています。市民ライターの方々と楽しみながら記事を制作していきたいと思っています。どうぞよろしくです。

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