最新情報

今回は、昆虫など、あらゆる虫の話を取り扱うことを、ご了承いただきたい。
現代において「自然」とは、車に乗ってわざわざ遠出していくキャンプ場や山、もしくはモニターの中の存在になりつつある。しかし、視点を変えれば、どんな場所にも自然を見出すことは可能だ。
今回は、市街地にある緑豊かな公園「各務原市民公園」。
身近な公園で目を凝らして散策すると、日ごろ見落としがちな小さな生き物や自然を再発見することができる。

小さな命との出会い
市民公園で散策を開始してすぐに発見したのはコクサグモ。いわゆる「クモの巣」のイメージとは異なり、植え込みにべたつかないシート状の網を張って獲物を待ち伏せする。ほとんど移動せずに毎日同じ場所に居続けるので、定期的に観察するうえでも良い対象だろう。
舗装された散策路からやや外れて落ち葉や土が盛られた脇道や木の根元には、子どもが大量に持ち帰ってきてしまい、親が困ることでお馴染みのオカダンゴムシのお出ましだ。ダンゴムシは“ムシ”と名がついているが昆虫ではない。どちらかというとエビに近い仲間で、腹側をよく観察すれば共通点を見つけられるだろう。また、詳細は割愛するが、迷路を走らせると面白い行動をとることでも知られる。「どこにでもいる」「昆虫ではない虫」「迷路の様子も観察できる」と夏休みの自由研究の課題にピッタリだ。
公園の西側に流れる新境川沿いの遊歩道ではアリグモとご対面。アリグモはアリにそっくりだが、アリではないという不思議な生き物である。足の本数が異なり、前足を触角のように振りかざして歩くため、パッと見では区別がつかない。しかし、よく観察すると糸を出す様子が見られるので、クモであることが判明する。

また、小川を好むハグロトンボにも遭遇することができた。羽は綺麗な黒色をしており、止まってパタパタとしている様子も美しい。オスはメタリックブルーで体色もなかなか特徴的である。初夏から秋ごろまで長く楽しむことができる昆虫だ。
わずか1時間ちょっとの散策でも、意識を向ければ20種以上の生き物たちを探すことができる。大自然に触れる、専用施設へ行く、そこで大きな生き物を見るような体験も素晴らしい。しかし、身近にいる小さな生き物を観察することも、また同様に素晴らしいものであろう。
最後に、生き物を観察する時の注意点を伝える。安全かつ小さな命を大切にして、楽しく観察してほしい。
・長袖、長ズボンの着用を基本とし、肌の露出を避ける
・熱中症には十分注意し、水分補給、適度な休憩を心掛ける
・立ち入り禁止区域や私有地に入らない
・危険な生き物、わからない生き物には触れない
・石や倒木を持ち上げて生き物を探した後は、元の場所に戻す
・捕獲して観察した後は、その場に逃がす
今回発見できた数々の生き物たち
ショウリョウバッタ、セイヨウミツバチ、アシナガバチの仲間、クマバチの仲間、クロヤマアリ、ハサミムシの仲間、ハムシの仲間、ゴマダラカミキリ、アゲハチョウの仲間、シジミチョウの仲間、シロチョウの仲間、メイガの仲間、アメンボの仲間、ハゴロモの仲間、ハグロトンボ、オカダンゴムシ、コクサグモ、ササグモ、ジョロウグモ、ナガコガネグモ、アリグモの仲間、アオオビハエトリ

文:OFKライター・近藤昇平