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天気のいい日は、公園へと向かう。
着いたらまず、読み終わった本を古本棚へ交換しに行き、そこに居合わせた誰かと外遊びをして楽しむ。ドリンクを片手に緩やかなBGMのもと、ハンモックに揺られて休憩。最後は焚火を囲んで楽器の演奏を楽しみながら暖をとり、暗くなってきたのでそろそろ解散。
こんな公園の日常、どう感じるだろうか?
ある日各務原市民公園に現れた、いつもとちょっと違う空間。準備を進めている私のもとへ「今日は何かあるのか」と、公園を散歩している男性が思わず尋ねてきた。
2021年11月27日、各務原市民公園にて、公園の未来を考える社会実験「Park Renovation Meeting(以下PRM)」が開催された。
PRMは、これまで市と市民が共同でミーティングを開き、未来に実現したい公園づくりについて考えてきた。
この日は、そんな未来の公園に希望をもったメンバーが、思い思いの「やりたいこと」を持ち寄り、実践してみる日であった。
それぞれのエリアに点在する、カラフルなサイン。これは、PRMメンバーが思い描いた公園の未来の風景だ。切り抜いた板に子どもたちが色を塗り、大人たちが文字を書いた。みんなで作ったサインの周りでは、自由で楽しげなひとときが広がった。
この日はとても冷え込み、PRMのために特別に用意されたという焚火が一役買っていた。焚火では燻製や焼き芋など、温かくて美味しそうな料理が出来上がる。たちまち子どもたちが、いや、大人たちも元気に駆け寄り焚火を囲んだ。
子どもたちは寒い中でも元気いっぱい!出来上がった焼き芋をくばったり、楽器や竹の廃材で自由に音を鳴らして楽しんだり。臆せず誰とでも交流していくから感心だ。そんな子どもたちに、誰とでも場を共有しあえる公園の良さを改めて教えてもらったような気がした。
大人たちはというと、時に中央の公園模型を囲んでちょっとマジメなトーク…かと思えば薪割りに挑戦したり、全力で外遊びを楽しんだり。大人子供関係なく交わりあい、皆で公園を楽しむオープンな空間が出来上がっていた。
これから生まれ変わろうとする各務原市民公園。
実際に「公園」という空間を作るのは、私たち利用者なのではないか。PRMを通して、公園の可能性が広がり、より多くの人が日常として訪れたい空間になるといいと感じた。
はじめに「ちょっといつもと違う空間」と書いたが、近い未来、この空間を「いつもと違う」と感じないくらい、利用者の楽しみが公園の日常に溢れている…そんな風景が見られることを期待したい。
文:OFKライター 村瀬恵里佳
写真:高田沙織、戸髙翼
※今回のPRM社会実験では、市消防本部への届け出および公園管理者の立会のもと、安全に十分配慮して実施しました。
本来、公園内での火気使用は禁止されています。