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「暮らしDIYリノベ各務原」プロジェクト始動!

FEATURE

「暮らしDIYリノベ各務原」プロジェクト始動!

「暮らしDIYリノベ各務原」プロジェクト始動!

空き家にもう一度、命を吹き込み、
各務原の新たな価値につなげていく。

2016.09.01

少子高齢化と人口減少によって、増え続ける空き家問題に頭を抱えている市町村は全国に数多くある。各務原市もそのひとつだ。同市では全国初となる金融機関と大学と連携をとりながら、空き家の持ち主と借り手を新しい形でつないでいく「空き家リノベーション事業」を2016年5月からスタートさせた。



この事業では、借り手自身がDIYでリノベーションを行うことが特徴となる。そのうえで、岐阜を拠点にさまざまなリノベーションを行ってきた、建築デザイン事務所「ミユキデザイン」との事業協力を行っていくという。



「ミユキデザイン」はこれまでに岐阜の柳ケ瀬商店街の空きテナントなどを利活用した「サンデービルヂングマーケット」や、美殿町のリノベーション・シェアオフィス「まちでつくるビル」などを手掛けてきた。一般的な建築デザインの枠に留まることなく、その周辺のまちや人々も活性化させることを念頭に活動を展開してきた彼ら。果たして各務原市と行う「空き家リノベーション事業」に対し、一体どんな思いを持っているのだろうか?「ミユキデザイン」の大前さん、末永さん。そして、各務原市役所建築指導課・岩田さん、平野さんの4人に話を伺った。

リノベみゆき2人
「ミユキデザイン」のお二人。右から、大前さん、末永さん。

建築をデザインすること=
暮らしをデザインすること。

−ミユキデザインのお2人はもともと岐阜で建築士さんをそれぞれにやっていたんですよね。そこから独立されて、2人でひとつの会社を作られたってことですか?

末永:そうですね。もともとはふたりとも別々の建築会社に勤めていました。今年で独立してから5年目になります。

−これまでのお仕事の経歴を見ていると、例えば「サンデービルヂングマーケット」のように地域との関連性が高い事業を展開されているデザイン会社さんのイメージがあります。いわゆる普通の建築デザインのお仕事もされてきたんでしょうか?なぜ、現在のようなスタンスに?

大前:会社勤めをしていた頃は、学校などの大きな公共施設から、小さな商店や個人宅も手掛けてきました。そういった仕事をやっていく中で、まちと人と建築が、どうやっていい関係を持つことができるのか?ってことを考えるようになっていったんです。

末永:私も建築を通してもっと多くの人が楽しくまちに関われるような仕組みを作れたら、と思っていました。例えば、古い商店街がどんどん元気が無くなってきている現状を見て、何とかいい形にしてあげたいなと思ったり。その気持ちから、岐阜の柳ヶ瀬の若い商店主さんと一緒に活動するようになり「サンデービルヂングマーケット」が生まれました。リノベーションしていくことと、さらにその先にあるまちづくりに生み出せるような動きをしていけたらって…。自分たちがもともと働いていた一般的な設計事務所での仕事は、今やっているような建物デザインの先にあることは業務外になってしまって、やらせてもらえなかったんですよね。

−あ〜、そうなっちゃうんですね。

末永:本当はそこをちゃんと考えたうえで、どんなデザインしたらいいか?をそこに住む人、使う人と一緒に考えていけたら、もっといいものを作れると思っていたので、そこが結構もどかしかったんです。だから、自分たちが自分たちで仕事を作っていかないとその先には行けないなと。コンサルタントと建築デザインの両方の視点を持った仕事ができるようにしようと思って独立したというわけです。

−なるほど。お二人に共通して、建築デザイナーとしてできることはただ家や店舗を建てるだけじゃないんだ、というスタンスが生まれたってことですね。まちのため、しいてはそのまちに住む人々のためにできることがある、と。

大前:そうですね。家が一つできたら終わりじゃなくて、その先に目標がある。そこに住む人、使う人と一緒に考えながらデザインしていけたら、もっといい建築を作れるはずと思っていて。そういう観点で仕事をしていく中で、空き家が増えている問題点を知りました。

−そこで、今回の各務原と連携して行う「空き家リノベーション事業」に興味を持って参画されたわけですね。各務原市さんとミユキデザインさんはどんな形で繋がったんですか?

リノベ各務原
各務原市建築指導課のお二人。左から、岩田さん、平野さん。

岩田:空き家の問題は、これまで市が主体となって取り組んではいたものの、最終的には一個人の所有物なので家主さんレベルでどうにかしてもらうのが大原則だったりして…。これまでのやり方だと全く問題解決していかない、という状況でした。これは全国的に各市町村が同じ壁にぶつかっています。で、やはり継続的に空き家問題に携わってくれる、民間主導でやれる人たちを探そう!となり、公募型のプロポーザルを行って選ばれたのが、ミユキデザインさんでした。

大前:しっかりお金を掛けた新しくて綺麗で美しい建物って、今の時代においては相対的に価値があまりないんじゃないか、というか。僕らはそれ対して、古くて汚くいけど、でも面白い、なおかつ安く済む、そんな物件を生み出せたら、なんか単純にワクワクできるじゃないですか。価値基準は人それぞれだと思いますが、古着屋さんにある服ってある人はもういらなくて手放した服なんだけど、それをリメイクすることで次に手にする人がそこに魅力が出る可能性があるなと。そのものもともとの価値を上げていくことで、そこに人が集まり、まちや地域レベルで、新しいおもしろいことが起きていくのではないか?と。ただ、そこまでスケールを大きくした時、僕たちだけでは成し得ないこともあると同時に思っていました。だったら、それぞれの道のプロの人と組んで、チームを作ってやっていけば良いって、そう思っていたんです。

−実際に空き家問題に関わる中で見えてきたことってありましたか?

平野:一軒の空き家を詳しく調べると、そこにはすごい人生が詰まっていて、空き家の数だけ物語があるってのがわかりました。だからこそ、単純に補助金を出すような制度を設けるだけでは本当の意味での解決に至らないのです。

−今、実際のところリノベーション候補の空き家ってどれくらいあるんですか?

平野:現在のところ、こちらで関わることになっている空き家は20軒ほどあります。そのまま使えるような状態の物件は少ないので、借りたい方を募って、その方の要望とうまく合致させていけるかどうか?のコンセンサスをとっていくのは私たちの仕事ということになります。

−なるほど。では、どのように空き家の持ち主と、借り手を集めていくんですか?

平野:先日、第1回目となる「暮らし DIY リノベ」セミナーを行いました。予想を超える数の参加者が来てくださいまして、みなさんのリノベーションに対する関心の高さにびっくりしましたね。

−もうすでに借りたいって方がいらっしゃるんですね。借り手は市内の方が多いですか?

平野:そうですね。現状としては、やはり各務原市内の希望者が多いですね。市内に空き物件を持っていてどうしようか考えている方や、単純にDIYなリノベーションに興味がある方もいらっしゃっていました。まずは、関心がある人の掘り起しから始めて、物件と人のマッチングをさせていきながら、市外・県外にももっと発信していきたいと思っています。

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実際に空き家を内覧し、家主と対話。その思いもヒアリングする。

末永:「暮らし DIY リノベ」では普通の不動産業者ではできないことをやろうとしているのが大きな特徴です。通常、大家さんが借り手を増やしたいから、先行投資して綺麗にリノベーションしますってやり方が多くて。それだと大家さんはその改修費を賄える家賃に値上げせざるを得なかったり。どれだけ綺麗にしてあっても、借りる側が払える額じゃなかったら誰も借りてくれないから、その物件はまた空き家の状態になってしまうわけです。ですので、先に使いたい人を決めて、その方が出せる家賃をもとに、どこを直すのか?どこをDIYな作業でやろうか?というのを依頼者と相談しながら決めていきます。

−自分の手を動かしてつくった住まいなんて、素敵ですよね。

大前:そうです。そこで愛着を持てれば、末長く使っていただけるはずですよね。

−そこは、リノベーションならではの魅力と言えますね。ミユキデザインさんたち自身、リノベーションの魅力をどんなところに感じていますか?

末永:今あるものをどう使うか?という考えになった時、今まで興味なかったものが全部宝物に見えてきたんです。自分たちが全然気づいてなかったのに、あらゆるところに宝が眠っている様に見えてきて。それは、自分たちも少しづつリノベーションをやりながら、そう感じることが増えていきましたね。

大前:古い建物を見ていると、やっぱりその時代にしかなかった建材とかあるんですよね。今、再現しようと思っても作れない材料とかもある。魅力的に見えますね。

末永:どんどん塗装を塗り重ねた壁とかね。時代の文脈もそこには見えてくる。さらにそこに新しい要素を足すことで、唯一そこにしかないものが生まれるんです。私たちが面白いって思ってるだけというわけではなくて、全然デザインとかに関係ない人が見た時にも「わ〜!なんか懐かしい!」とか「なんだこれ!」とかって反応がある。そういうことが起きるのは楽しい。

−古着とかでもアディダスとかプーマとかの古くて珍しいロゴマークとか見つけると、逆に今いい!みたいな感情になりますもんね。ちなみに、リノベーションするか?新築を建てるか?ってなると、どっちが楽なんですか?

末永:どっちも大変です(笑)。でも、大変さの質が違うというか。リノベーションする物件が昔の建物過ぎて図面がもう無くて、目視でリサーチしたりしなきゃいけないなんていう一手間があったり。ココのデザインすごいいい!って部分に手を入れないといけなくなっちゃうと心苦しいですしね。その辺りはどういう予算で、どんな目的のプロジェクトなのか?でコストをどこにどう掛けるかを見極めて判断していくんですが。だけど、デザインするうえで最初から既存の建物があるっていう意味ではゼロから考え始める新築よりも考えやすいという利点もあります。

−なるほど。

大前:今の不動産を取り巻く状況って、新築にしても建てた日が、一番最高に価値がある状態なんです。だから、どんなにデザインが良くても、年月ともに市場価値は下がっていく仕組みになっているんです。だから、資産価値をお金で表現しようと思ったら新しいものから古くなるにつれて下がっていくので、新築を建てるってのは結構勇気がいると思うんです。逆に既に古い建物って一旦そういった価値はリセットされているので。リノベーションすることって、すごく前向きな気持ちになれる。価値の無いものとされたものに新しく価値を付けていく作業っていうか。だから、リノベーションには可能性があるなと思っています。

−ではリノベーションするうえで、常に大切にしていることって何でしょうか?

大前:作り方だけではなく、使い方もデザインするということですかね。それが〈暮らしのデザイン〉にもつながっていく。今までは作ることだけを考えてればよかったけど、どう使うかをデザインしてあげることで空間が蘇える。使い方から派生してデザインを起こせば、全く新しい場も生まれたりする。いい空間ってのは、ただキレイな箱があるだけじゃダメで、そこをどんな人たちどんな風に使うか?が肝になってるんです。

−なるほど。で、ここで気になってくるのが、具体的な金額はどれくらいなんでしょうか?と。

大前:借り主とそこは相談しながら決めていくというのが基本ですが。だいたい5年住んで月5万くらいなら払える方が多いので、それを標準とすると、5年間で300万円になります。そしたら、その300万円分のリノベーション費用が基準になるわけです。

−え~!月額にしてみたら賃貸を借りるようなもんですね。それで自分の好きなようにカスタマイズできるなんて安いですね!

末永:暮らしをデザインしやすい仕組みを作って、なおかつ金銭的にそれぞれが折り合いがつくようマッチングさせていけたらと思っています。ちょっと手間は掛かるんですが、きっとその方が長く住んでくれるし、そこに対する想いも強くなると思うし。

岩田:各務原市としても若い人に多く住んでもらいたいと思っていますし、さらに長く住んでほしいと思っています。空き家をリフォームするという考え方ではなくて、暮らしをデザインするというミユキデザインさんのお話には大変感銘を受けました。

−全体として各務原というまちが面白いことになっていけばいいですよね?最後に、ミユキデザインさんにとって、まちづくりについてどのように考えているのか教えて下さい。

末永:一つの空き家リノベーション物件が、ハブとなってまちを巻き込んでいけたら、その街の価値を上げることにもつながる。でもそのためには発信力も必要であったりしますし、ミユキデザインだけでできることなんて限度がある。だから、こうして今日も取材をしてもらったり、いろんな人がどんどんと関わっていくことで、またいろんなアイデアが出てきたりして、新しい可能性が見えていく。自分たちがやっていることを外に広げて、みんなでやって楽しくしていくことが理想だと思っています。

大前:僕らはまちを変える動きの中で、ボランティア精神はとても大事だと思っていますが、それだけでは続かないとも思っています。ちゃんとビジネス化していくことを考えてます。例えば、空家の持ち主も「使いたかったら無料で貸すよ」っていう方も中にはいらっしゃるんですが、そこでちゃんとお金を払っても使いたい家を作らないといけないと思いますし、小さくてもちゃんと経済が回っていくようにすることは大事だと思っています。これからも今のスピード感を落とさないように動かし続けるためにも。

末永:自分たちが使っているこのシェアオフィス「まちでつくるビル」も、リノベーションして、実際に使ってみて、実感があって。家でも仕事はできるんだけど、ここでいろんな仕事をしている人たちと日常的に会話することで自分たちの物の考え方にもすごいいい影響があったりして。シェアすることも自分を変えたきっかけにもなりましたね。リノベーションして大家さんとか街の人と仲良くなったり気にかけてもらえるようになったり。建物をリノベーションしたのかもしれないけど結構人間関係や色んなことをリノベーションされてて、取り巻く環境とか、人の考え方にもいい影響があることを実感しています。

−普通のシェアオフィスではなくて、古い建物をリノベーションしたシェアオフィスだからこそ集まってきた人たちがいるわけで、その時点で共通の価値観を持った人たちが集う場ができる。そういった場作りは、良いコミュニティをつくるうえで大事なことですよね。

末永:建物だけじゃない別の新しいジャンルへ広がってくのが楽しい。小さなきっかけが、大きなことを生み出すきっかけに繋がっていっている感覚です。

大前:DIYでのリノベーションは、一気に完成はしませんが、少しずつ暮らしを想像しながらつくっていくわけです。ひとりがリノベーション物件に移住したことで、そこで仲間ができて一緒に手伝ってくれたりする人も出てきたら、そこには新しいコミュニティも生まれるかもしれない。で、また新たに移住者が増えていって…その動きが連鎖していけば、地域社会自体も活性化していく。そんな理想を描いています。

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株式会社ミユキデザイン
末永三樹、大前貴裕

わたしたちは、未来を良くする空間をデザインします。わたしたちはいろんな場所を訪ねることが大好きです。まち、ひと、風景、食べ物、空気、思いがけない出来事。この体験はたくさんの偶然の上に成り立っていて、いつも一度きりのものです。一見同じような繰り返しにみえる日常も、このような一度きりの体験の蓄積であると考えます。だからこそ、この体験が豊かで充実したものとなるように、デザインという手法を用いて空間づくりをすることが私たちの仕事であると考えています。

一級建築士事務所(岐阜県知事登録第12479号)
株式会社ミユキデザイン
岐阜県岐阜市美殿町17まちでつくるビル4F
TEL:058-264-3202
MAIL:info@miyukidesign.com
http://miyukidesign.com/

暮らし DIY リノベ

「住み心地いいよ」は、多くの市民の皆さんからいただく言葉です。それは日々の暮らしの中でよく実感します。

それをたくさんの人に体験してもらうため、空き家ツアーやDIYワークショップ、まちを面白くする実践者をゲストに招いたトークセッションなど、暮らしを豊かにするヒントや知恵の詰まった企画をスタート。

さらにライフスタイルにこだわりを持った住まいを応援する「借主負担DIY型賃貸借契約」を整備。大家さんと住まい手のマッチングをします。

ちょっと住んでみたい、今の家をなんとかしたい、小さな思いが大きな何かに変わります。ぜひご参加ください!
【9月10日よりサイトオープン!】http://kakamigahara-diyrenovation.com/

2016.09.01
LIVERARY

WRITER PROFILE

武部 敬俊LIVERARY

名古屋を拠点に、ローカル/カルチャートピックスを日々発信/提案しているウェブマガジン「LIVERARY」編集部の武部です。岐阜県各務原市の魅力を市民協働で発信していくサイト「OUR FAVORITE KAKAMIGAHARA」をお手伝いしています。市民ライターの方々と楽しみながら記事を制作していきたいと思っています。どうぞよろしくです。

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