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〈食〉文化を育んでいく新拠点が公園内に誕生!?「かもす食堂」が考える大切なこと。

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〈食〉文化を育んでいく新拠点が公園内に誕生!?「かもす食堂」が考える大切なこと。

〈食〉文化を育んでいく新拠点が公園内に誕生!?「かもす食堂」が考える大切なこと。

公園の一角の空き家から始まる、
新たな出会いと物語。

2018.07.18

各務原市役所前駅から徒歩1分ほどのところに広がる、大規模な自然公園「学びの森」。11月の文化の日には、毎年恒例の人気イベント「マーケット日和」が行われ市外からも多くの人が訪れる。この場所での出会いをきっかけに、まちでの暮らしを楽しくするとともに公園の利活用を行っていく「かかみがはら暮らし委員会」というチームが発足された。彼らの働きかけによって「KAKAMIGAHARA STAND」なるオープンカフェが誕生したのが一昨年のこと。そしてまた新たな動きが。「かかみがはら暮らし委員会」のひとり、長縄尚史さんが発起人となって「学びの森」内にもうひとつお店をオープンさせるという。その名も「かもす食堂」。果たしてどんなお店なのだろう?早速、メンバーに集まってもらい話を伺った。

 

食と建築、個性豊かなメンバーをご紹介

ー長縄さんは、「かかみがはら暮らし委員会」メンバーだったり、もはや各務原市のシティプロモーションにおける新しい動きに欠かせない存在になっていってる感がありますが、今回のこの新プロジェクトも長縄さんが端を発したとのことで。このチームの名前はあるんですか?

長縄:まだチーム名はないんですが。じゃあ、とりあえず「チームかもす食堂」で。

 


長縄さん

 

ーでは、「チームかもす食堂」のみなさん、簡単な自己紹介をお願いします。

桐生:私は大阪出身で、各務原市に住み始めたのは1年くらい前です。薬膳カフェで働いてて、薬膳の資格を取るために勉強を続けてきて、将来フリーで何か活動したいな〜って思ってたんで、いいご縁をいただいた感じです。

 

桐生さん

 

後藤:私はずっと各務原市。このまちで生まれて、育ちました。野菜ソムリエのプロと発酵食エキスパート1級の資格を持っています。もともとはCADのオペレーターの仕事をやったりしてました。〈食〉とはかけ離れた全く違う分野だったんです。〈食〉に携わるために資格を取って、実際に動き出そうと思ったら自分のやりたいことを発揮できるような場所がない。そんな風に思っていたら、今回のお話を長縄さんからいただいたんです。

 

後藤さん

 

津川:アトリエFUDOの津川です。僕も生まれも育ちも各務原です。一級建築士として、自身の建築事務所をやっています。普段は、住宅やクリニックの仕事を中心にやっています。

林:各務原の川島で工務店をやっています。もともと人と人の繋がりを大切にしている方ですが、歳を重ねるたびにやっぱりそうだな〜と実感させられます。今後の自分を作るには一番大切なことだと思っていて、このプロジェクトにもできる限り楽しみながら参加しようと思っています。

 

建築チーム。津川さん(左)と林さん(右)

 

公園の中に空き家があった!?出会いはインスタ!?

ー皆さん、ありがとうございます。では、チームリーダーの長縄さんに尋ねたいんですが、そもそもなんで公園内に食堂をつくろうと?

長縄:実は最初、KAKAMIGAHARA STANDの収納場所兼事務所が近くに欲しくて探していたんです。で、周辺を歩きまくってたら、ココを見つけました。でも、実際に物件を見ているうちに、別の飲食店を始められないかな〜と妄想が膨らんでしまったんです。KAKAMIGAHARA STANDでは厨房がもともと狭かったため、できることが限られていたんで、ここだったらできる!って思って。で、このチームとともにココで何か始めたいなって。たまたまみんな各務原市在住なんですが、おもしろいメンバーが集まりました。

ーなるほど。適材適所で人材を見つけてきますね〜。さすが名プロデューサー!

長縄:いやいやいやいや(嬉)。

ーみなさんとの出会いはどんな形で?

長縄:FUDOの津川さんは、KAKAMIGAHARA STANDの内装デザインもやってもらってるんですよ。林さんとはKAKAMIGAHARA OPEN CLASSを通じて知り合いました。桐生さんは以前「KAKAMIGAHARA STANDで働きたい」って言ってきてくれたことを思い出して、今回のお店に立ってもらうイメージにぴったりハマったので誘いました。後藤さんとは最初、インスタでつながったんです。

ーえ!(笑)

長縄:「KAKAMIGAHARA STAND」の投稿をしてくれていたところからフォローして。その後も何気なく投稿を見ていて、かなり熱い女性だな〜って一方的に思っていました。文章は熱いんですが、写真が絶妙にインスタ映えしない感じだったのも気になった点でしたね(笑)。

後藤:ちょっと!(笑)。

長縄:で、野菜ソムリエとかもやっているみたいだし、お声かけしたいな〜と思ってて、DMを送ってみました。そしたら全然返ってこなくて、かなり諦めモードでした。

後藤:私、インスタの使い方をあまりよくわかってなくて(笑)。気づいたら知らない人からDMが何通かきてて、自己紹介すごい一方的にしてきて!最初は怖くて友達に相談したりして……。

ーですよね(笑)。

後藤:悩んだ挙げ句、一ヶ月後に返信しました。

長縄:そう。もう諦めかけてたときに、返事が来て。会って話したら、〈食〉の講座をやれる場所を探してたっていう話をされて、もう即お願いしましたね。後藤さんみたいにフリーランスで頑張ろうとしている女性って意外と多くて。でも、そういう女性たちはそれぞれ自宅とかで料理教室やってたりして、各自で情報発信している感じなんですよね。そういう人たちを一堂に集めることできないかなって思ってたんです。そしたら、いろんな角度から〈食〉のことを学べる場所にできるんじゃないか?って。

あと、初対面で「生産者と消費者を食で繋げたい」っていう話もしてくれて。僕も同じことを考えていたんです。「かかみがはら暮らし委員会」も、「KAKAMIGAHARA STAND」もやっていることの意義の中に、そのメッセージをかなり強く持たせています。「かもす食堂」は、もっと食べることにフォーカスしたことをやりたいな、とイメージをしてました。

ーなるほど。で、実際、お店の候補地である空き家を見に行ってみて、ココでお店をやることがイメージできました?

後藤:最初物件は見てない状態で話だけ聞いていたんで、初めて見に行ったときは今よりもっと片付いてなくて正直、やば!って思いました(笑)。

桐生:私は実はこの「学びの森」に、犬の散歩で毎日通ってて、公園の中に家があるなんていいな〜住みたいな〜って思っていたんですよね。で、お隣にすごくおしゃれな家があって、今回のお話いただいた時にもしかしてこのオシャレな家が空き家なのかな〜って思ってたんですが、その隣でしたね(笑)。

 


実際に「かもす食堂」として、活用されていく予定の空き家がコチラ

 

ー森の中にひっそりとある隠れ家っぽい感じですよね、よく言えば(笑)。ちなみに、オープンはいつ頃ですか?

長縄:公園のいちょう並木がすごくきれいなんで、頑張って9月には間に合わせたいですね。食の秋ですし、11月は「マーケット日和」もあるし。

 

「かもす食堂」が目指すのは「食の文化交流拠点」

ーオープン後はどんな展開を考えているんですか?

長縄:大きくは4つあります。

ー4つも!

長縄:①日常使いで一般の人が使える食堂、②公園という立地を生かしてお弁当事業、③食にまつわるイベントをやる、④生産者の顔が見える調味料の販売です。

ー単純に美味しいご飯が食べられるお店をやるってわけじゃないんですね。

長縄:食を提供することより、食の交流拠点の意味合いを強めていきたいと思っていて。食にまつわる講座をたくさんやっていくことで、お客さんの方もいちいち違う場所に行かなくても、「あそこに行けば何かやってる」って思ってくれるようになったらいいと思ってます。生産者さんたちにも講演をしてもらったりもしたいですね。KAKAMIGAHARA STANDでやるより、深いことをやっていきたいですね。食を通じていろんな人が繋がっていったらと思います。

ーなるほど。やはりこの、店名の「かもす」って言葉がキーワードになってくるんでしょうか?

後藤:発酵のことを「醸す」って言いますよね。その「醸す」と、雰囲気を「醸し出す」って意味とふたつをかけたんです。

長縄:最初は「発酵食堂」って名前で考えてたんです、シンプルでわかりやすく。でも、後藤さんいわく「『発酵』って言葉がすでに流行とかファッションになっちゃってるから、仮に人気が出ても一過性のブームとともにいつか必ず終わってしまう。もし、『発酵』って言葉を使うなら私はやらない!」とまで言われてしまったんです(笑)。

後藤:そうそう!「発酵食堂にしたい」って言われて、え〜!と思って。それで「醸す」って言葉を入れたらどうか?と提案したんです。「さしすせそ」って案も出されたんですけど、そんな舌を噛んでしまうような店名は絶対に嫌です!って言いました(笑)。

長縄:やっぱりダメですか(笑)。後藤さんの言葉を借りるようですけど、僕たちはやはりずっと継続してやっていきたいし、それは文化と呼ばれるくらいのものを生み出していきたいと思っているから。日々の暮らしに根付いていくような存在になっていきたいという思いがあります。

後藤:やっぱり場所を作るって大切なので。料理教室とかを貸し出してくれる公共施設もあるけど、何となく行きづらかったり、かしこまった雰囲気があって利用しにくいイメージがある。だから、私たちみたいな素人からスタートして本格的に「食」のことで何かやっていきたい人たちが、「かもす食堂」にはどんどん集まって来てもらえたらと思っています。ここは広い駐車場もあるし、電車の駅もすぐ近くにある、そして何よりこの公園内に美しい自然がある。

ー今回は、各務原市からのバックアップがあってスタートしたわけではないんですね。

長縄:この空き家の活用に向けて協力してくれたのは市の方ですし。実は、この辺りは土地としてはもう空きがないんですよね。だから、このエリアでお店をやるなら、公園の中にある空き家をリノベーションするしかない!という選択肢だったわけです。そういう意味では面白い事例かなと。今回、市が進めているプロジェクトのひとつ「空き家DIYリノベ」を利用して、お店を解体して、つくっていく過程をワークショップ形式でたくさんの人に参加してもらおうと思っています。「公園の利活用」と「空き家DIY」の2つの要素を持った場所って意味では各務原市役所さんも喜んでくれていると思います。

ーでも、まさか公園の中に空き家があるとは思わないですよね。各務原のポテンシャル、すごいっす。

長縄:最初にあの物件を見たときに可能性しか感じませんでした。畳があって、縁側があって、植木さえカットしたら、縁側に座ると目の前に公園がバーっと見渡せる予定なんです。ただ、古民家と言えるまで古くはないので、和の感じを押し出していくには無理があったんです。

津川:空き家で一番多いのは築40年くらいが一番多いですね。古民家とは言えない。新建材を使ってるから磨いても良くならない。

長縄:だったら、古民家カフェみたいな感じではなくて、もっと日常の暮らしの中にある「食堂」にしよう、と。ご飯があって、味噌汁があって、おかずがある。いい意味で平凡な。そこに後藤さんの「発酵」、桐生さんの「薬膳」といった調味料が加わっていくことで、日常的な食にちょっとした変化を感じてもらえたらと思いました。

林:今回「空き家DIYリノベ」を兼ねているので、リノベやる人ってあんまり費用かけたくない人が多いと思うんです。だからこの建物もあまり費用をかけず、でもこれだけ変わりますよってことを提案できればいい方向に持っていけると思っています。

長縄:今後の予定としては、まず解体のワークショップを7月29日にやります。何人来るんだろう?

後藤:そのときにお弁当の試作とかを提供できたらいいかもしれないですね。

長縄:いいね〜。

 

「発酵」と「薬膳」は単なる流行語じゃない

ーちなみに、食の話に戻すと、「発酵」と「薬膳」ってつながるんですか?

桐生:「薬膳」って中国や韓国のイメージがあると思うんですが、実は、日本の昔ながらの食生活は、薬膳の基礎となる重要な要素が入ってるんです。季節の食材を食べたり、その土地で育ったものを食べたり。それが薬膳料理で一番大事なポイントなんです。いわゆるみんながイメージするような「薬膳料理」を推したいわけじゃなくて、そこにある根底の考え方を取り入れたお店にしていきたいな、と。

後藤:「薬膳」も「発酵」と同じくして、ファッション的になっていってますよね。もう「健康」って言葉自体が、ブームじゃないですか?「これさえ食べておけば、絶対健康になる」とかって私は間違ってると思うし。でも今、 SNSに色んな情報が溢れていてみんな何を選んでいいか迷ってしまうと思うんですよ。情報が多くて疲れちゃってる。私自身も。だから、それを言葉で教えるんじゃなくて、体験してもらって〈食〉の本質を伝えられたら、と思ってます。少しでも興味を持ってくれる場づくりが必要なのかなと。無理なく続けられる食のあり方は、それがその家庭の味になっていけば、子どもたちにも自然と伝えていけるし、それが一番正しいのかなって私は思うんです。そんなことをからだで伝えていける場所にしていきたい。

桐生:「薬膳」もそうなんですけど、時々メディアに取り上げられた健康食品が流行るのって間違ってるな〜って思っていて。そうじゃなくて、毎日食べられるものが大事で。

ー〈食〉に意識を持ち始めたきっかけってあるんですか?

桐生:私は小さい頃から食べることが好きで。小さい時から〈食〉に関わる仕事がしたいなと思ってました。刃物メーカーで広報の仕事もしていました。その会社で〈食〉のプロの方々と関わることがあって、その出会いをきっかけに再度〈食〉の世界に入りたい気持ちが高まって。当時少し体調を崩していたこともあって、そこで自然と「薬膳」にも出会って、すんなり自分の中に入ってきましたね。

後藤:私は、おじいちゃんの介護がきっかけのひとつになっていて。おじいちゃんに美味しいと思えるものを食べさせたいなーと思ったんです、単純に。食べたくないものを食べなきゃいけない、病気になってしまう前に。そうならないために、普段の食生活が大事になってくるわけで。それまでは、自分も流行に流されてましたけど、自分で勉強して、失敗してを繰り返す中で、結果〈食〉の楽しさにも気づきました。

桐生:病気になった人を治すのも「薬膳」なんですけど、その前段階の予防が大事だと私も思っていて。例えば、きゅうりとかって全然栄養がない野菜って言われてるけど、夏の野菜って解熱作用があって体の熱を取ってくれるんです、高血圧の人には夏野菜がいい。ひとりひとりに合った食材で料理をつくれたらもちろん一番いいわけなんですが、だからこそお店で料理を出すって、本当はすごく難しいことなんですよ。

ーなるほど。お二人とも〈食〉に対して熱い想いをお持ちなんですね。お二人がつくる食事、すごく食べてみたくなりました。

長縄:やっぱり、からだにいいことが一番大事なんだって、「かもす食堂」で改めて実感してくれたらうれしいです。これからは目に見えないものに対価を支払う時代になっていくのかも。こんな言葉あるかわからないですけど、「インスタ映え」より「からだ映え」を大事にしていきたいですね。

DIY型空き家ワークショップ【解体編】 in かもす食堂

日程:2018年7月29日(日)
時間:10:00〜15:00
場所:各務原市那加桜町3-202-2
定員:10名程度(予約優先)
参加費:無料
申し込み:「ワークショップ参加の旨と参加人数・氏名・連絡先」を「brand@city.kakamigahara.gifu.jp」宛にメールください。
※車でお越しの方は学びの森駐車場をご利用ください。(駐車料金は自費負担願います)
※終日参加の方は昼食は各自でご用意ください。
※汚れてもよい服装でお越しください。

2018.07.18
LIVERARY

WRITER PROFILE

武部 敬俊LIVERARY

名古屋を拠点に、ローカル/カルチャートピックスを日々発信/提案しているウェブマガジン「LIVERARY」編集部の武部です。岐阜県各務原市の魅力を市民協働で発信していくサイト「OUR FAVORITE KAKAMIGAHARA」をお手伝いしています。市民ライターの方々と楽しみながら記事を制作していきたいと思っています。どうぞよろしくです。

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